Stray City シリーズ「Club ドーシャ」田中涼星・廣野凌大・立花裕大 インタビュー
「Clubドーシャ」が一丸となって盛り上げるパワーに期待してほしい
――前回の「Club キャッテリア」公演で、印象深かったことを教えてください。 立花 客席降りがあったんですけど、こんなにお客さんと近いのは初めての経験で。目の前のお客さんがめちゃくちゃこっちを見ていて、ドキドキでした。でも「この人たちを楽しませなきゃ」っていう責任感を感じたし、慣れてきたら自分のペースでいけるようになってきましたね。 廣野 それは俺も。俺らがキャッテリアの従業員に扮して、クロとミケを追いかけて客席に登場するところから舞台が始まっていたんですけど、客席通路それぞれにひとりずつ分かれていたから、出ていく前は結構孤独で。 立花 お客さんに気づかれないように、足音を消してね。 廣野 お客さんは俺たちが後ろから登場するなんて思ってないから、通路のすぐ横の席のお客さんがめっちゃ驚いてて。「何~!?」みたいな反応がめっちゃ面白かったですね。そのサプライズ感と、俺らもその反応で緊張感が緩和されるっていう、不思議な感覚でした。 田中 あと、僕らは女性客を演じる場面もあって、それぞれパンチの強いお客さんで観ていてすごく面白かった。客席に降りることも、コールアンドレスポンスも、ダンスも歌も、お笑いの要素もあって、もちろんお芝居もたっぷりある。舞台として成功していたと思うし、個人的にもすごく楽しかったですね。 ――では今回の公演で、こんなことやりたい、できたらいいな、と考えていることは? 立花 ドラマのように過去編というわけではなく、新展開が待っています。それぞれの関係性がどんどん変わっていくところが面白いと思いますし、「Clubドーシャ」の我々のパワーが爆発することを期待していただければ。ただ、アドリブの指示が出ているところがたくさんあるので、どうしようかなって思ってます。 ――そんなにたくさんあるんですか? 廣野 めちゃくちゃ多いですよ。 田中 序盤から「お好きにどうぞ」みたいな感じ。任せてもらっている部分が大きいのは、楽しみでもあり、ちょっと不安でもあり。 立花 原作がないから自由ではあるけど、逆に何をすればいいのかっていう、オリジナルゆえの怖さがあります。ふたりともその辺の塩梅が上手なので、勉強させていただいてます。 ――そういった部分も含めて皆さんで一丸となって創り上げているこのシリーズですが、お客さまの人気を得たポイントはどういうところにあると感じていますか? 廣野 人(きっぱり)。 立花 人で勝負! 廣野 この顔ぶれを集められるのは、荒牧プロデューサーの力。しかも、福澤侑(ベンガル役)が振付をしたり、俺が音楽を作ったりして、それぞれの武器も使わせてくれる。俺たちに賭けてくれている潔さは、お客さんにも伝わっているし、お客さんも俺たちの成長を見届けてくれることになる。そういう変化みたいなものを感じられるから、好評なのかなって思います。 立花 それと、そもそも猫の物語なので猫のもつ柔らかさやかわいらしさもあるし、事前に曲を解禁して、その曲もキャッチーで口ずさみやすいし、振り付け動画を上げたりもして、すごく親切なつくりになっていると思います。いい意味で敷居が低くて、気軽に観て楽しめる舞台ですね。 廣野 幸せな気分になるよね。 田中 オリジナルでここまでいろいろなことをやっている作品は最近あまりなかったような気がするし、煌びやかで、観に行きたいって思わせる引力がある。お客さんにとっては「待ってました!」って観に来たらストーリーもしっかりしていて、さらに喜んでもらえたんじゃないかと思う。