『マイダイアリー』清原果耶が“人生の日記”を読み返す理由 優希の広海への“複雑な想い”
『マイダイアリー』(ABCテレビ・テレビ朝日系)はいつも、「わたしはふと、人生の日記を読み返したくなった」という優希(清原果耶)のモノローグから始まる。社会人1年目で、まだ人生の折り返し地点にも立っていない優希が、なぜこのタイミングで“人生の日記”を読み返そうと思ったのか? その理由が、少しずつ明らかになってきた。 【写真】晴れ着姿の清原果耶&吉川愛 第7話でおもに描かれたのは、優希が暮らすマンションの隣人・緑(中村ゆり)について。偶然、電車のなかで出会った2人は、行き先も住もうとしている場所も同じだったことから、ノリで隣の家に住むことになったらしい。「そんな偶然ある? 偶然に見せかけた必然だったりして」という広海(佐野勇斗)の予想は、見事に的中。やはり、緑は故意的に優希との出会いを作り出したようだ。 その理由は、病気で亡くなった優希の母・まいこ(りょう)に、「優希を“もう大丈夫”ってなるまで見守ってほしい」と頼まれたから。まいこと緑には、何かしらの関係性があるのは分かっていたが、2人が入院中に出会ったとは……。「わたしは、ひとりでいたいから、ひとりなんだ。可哀想じゃない。勝手に同情するな」と強がり、周囲をシャットアウトしてきた緑には、彼女の本当の弱さや寂しさに気づいてくれる人がいなかったらしい。そこに気付き、優しく心を開かせてくれたのが、まいこだった。 悲しい別れを経験したとき、「出会わなければ、こんなに苦しい思いをしなくてすんだのではないか」と思ってしまうことがある。でも、緑からはそんな後悔を感じられなかった。それはきっと、まいこからもらってきたたくさんの優しさを、日記に記してきたからだと思う。その日記を読み返すたびに、緑は“まいこと出会えてよかった”と再確認することができる。また、緑はまいこが亡くなったという報せを受けて、初めて買った喪服の写真も、日記に挟んでいた。「悲しいけど、胸に刻むために写真を撮った」という言葉を添えて。 ずっと、ひとりぼっちだった緑は、“この人がいなくなったら悲しい”と思える人に出会ったことがかなったのではないだろうか。まいこと出会い、彼女との別れを経験したことで、生まれて初めての感情を知ることができた。誰かが亡くなったとき、別れたとき、離ればなれになってしまったとき、“悲しい”と思えるのは、それだけその人のことが大事だったから。そう考えると、悲しいという感情はマイナスだけではないのでは? と思えてくる。 「大切な人に出会ったら、人生の日記をつけてほしい」という緑の言葉が、優希が“人生の日記”をつけるきっかけになったのだろう。「大切な人にすでに出会ってるなら、思い返すだけでもいいと思う。わたしは、この人との思い出のなかで、何回心のシャッターを切ったんだろうって」。