『ジョーカー2』ホアキン・フェニックス、“笑い”のシーンは現場で生まれた あらゆる感情が込められた瞬間
「アーサーが歌っているときは、大切なことを音楽で表現している時です。そのためには、(彼の歌が)フランク・シナトラのように快適に聞こえてはならない。パフォーマンスは脱構築的で、完璧ではないことこそ、キャラクターに忠実だと感じたからです」
また、歌唱シーンについて「撮影はすべてライブで録音されたもの」と明かしていたホアキンは、そのアイデアはもともと、リーを演じたレディー・ガガからの提案だったとも明かした。「初期段階で、ステファニー(ガガ)から『ライブで(歌を)録音すべきだ』と言われました。最初は、とても無理だって感じでしたよ。酷いことになるだろうと思ったからです。でも実際には、彼女が正解でした」
「普通の歌唱シーンなら、レコーディングされた楽曲に合わせて歌うのが一般的です。それは生歌であっても同じで、テンポは一貫しています。しかし僕らは、セットの別の部屋で演奏するピアニストと、お互いの歌と曲を聴くことができるようにして撮影しました。これによって、テイクごとに曲のテンポや強度を変えることができたのです。僕も、歌のシーンでは事前にどんなパフォーマンスするかを決め込まずにやることができた。例えば曲の終わりに、大きな声で強烈に歌い上げるバージョンをやりたい時もあれば、非常に静かに歌うバージョンにしたい時もありました。ピアニストも僕も、お互いがどんなことをするのかちゃんとわかっていない状態です。それによって、ある種の即興的なエネルギーが生まれたと思います」
もちろん、前作でも鮮烈な印象を残したダンスシーンにも挑んでおり「ダンスについては、前作でも一緒に仕事をした、マイケル・アーノルドという振付師と今回も組んで仕事をしました。脚本を読むとタップダンスのシークエンスがあることがわかり、非常に早い段階で彼と仕事を始めました。タップダンスをやったことがある人ならわかると思いますが、本当に難しいです。少なくとも僕にとってはそうでした。でも、最終的には非常に報われたし、楽しい経験になりましたよ」と振り返った。