エルニーニョ現象終息に向かう 春の間に平常の状態になる可能性が高い
気象庁は10日(水)、エルニーニョ監視速報を発表した。昨年春から続いているエルニーニョ現象は、終息に向かっている。今後、春の間にエルニーニョ現象が終息して、平常の状態になる可能性が高い(80%)。その後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性と、平常の状態が続く可能性は同程度である(50%)。
3月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.2℃で、2月に比べて0.6℃下がった。海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象時の特徴が弱まりつつあることを示し、昨年の春から続いているエルニーニョ現象は終息に向かっている。 大気海洋結合モデルは、冷水の東進が続き、エルニーニョ監視海域の海面水温が次第に下降して春の間に基準値に近づくと予測している。その後、夏の間はエルニーニョ監視海域の海面水温が、基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測している。以上から、今後春の間にエルニーニョ現象が終息して平常の状態になる可能性が高い(80%)。その後、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性と、平常の状態が続く可能性は同程度である(50%)。
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。