【オーストラリア】豪4月小売売上高また鈍化、年初から低調続く
豪政府統計局(ABS)が28日に発表した2024年4月の小売売上高(季節調整値)は、357億1,390万豪ドル(約3兆7,300億円)と前月比0.1%増となった。0.4%増だった前月の伸びを相殺した形で、世帯の支出削減傾向は続き、今年に入ってから全般的に伸び悩んだままだ。【NNAオーストラリア編集部】 前年同月比では1.3%増だった。 項目別(前月比、季節調整値)では、◇食品:142億4,590万豪ドル(0.5%減)◇家庭用品:56億5,310万豪ドル(0.7%増)◇衣服・靴・アクセサリー:29億2,520万豪ドル(0.7%減)◇デパート:18億9,170万豪ドル(0.1%増)◇カフェ・レストラン・持ち帰り食品サービス:54億660万豪ドル(0.3%増)◇その他:55億9,140万豪ドル(1.6%増)――となった。 地域別では、◇ニューサウスウェールズ州:111億6,210万豪ドル(0.7%増)◇ビクトリア州:91億4,260万豪ドル(0.4%減)◇クイーンズランド州:73億4,170万豪ドル(0.2%減)◇南オーストラリア州:23億2,450万豪ドル(0.5%増)◇西オーストラリア州:40億2,250万豪ドル(横ばい)◇タスマニア州:7億1,830万豪ドル(横ばい)◇北部準州(NT):3億3,070万豪ドル(横ばい)◇首都圏特別区(ACT):6億7,140万豪ドル(0.3%減)――となった。 ■過去2年は伸び悩み ABSで小売り統計を統括するドーバー氏は、「今年はイースター休暇が通常より早く、学校休暇期間が州ごとに異なったため、3月に続き若干変動があった」とした。3月からの2カ月間は全項目で世帯支出が低調だとしている。 調査会社ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、マーフィークルーズ氏は、「食品や外食を除くと、小売売上高は約2年伸びていない」とし、新年度の所得税減税の第3段階や電気代補助が家計圧力を緩和するとみられるが、年内は低迷が続くとの見方を示した。