11月もおさまらない夏かぜの流行「免疫負債」解消して〝感染症ドミノ〟防ぐ 「生活リズム」「自律神経」「腸内環境」整えることが大切
「たとえばインフルエンザは、感染後に意識障害やけいれん、異常言動・行動などの症状を引き起こすインフルエンザ脳症になる可能性があります。命は助かっても後遺症を残して寝たきりになる方もいらっしゃる。このような重症化予防のために、ワクチンの接種を検討してほしいと思います」
感染症対策は、外からウイルスや菌を入れない「外的要因に対する対策」と、免疫機能の維持・低下させないための「内的要因に対する対策」がある。
「外的要因対策としては、うがい、手洗い、マスク、歯みがき(口腔ケア)、タオルの供用を避ける、人混みを極力避けることが大切です。そしてさらに大事なのは、内的要因の対策です。生活リズムを一定にして自律神経を整えたり、腸内環境を整えることが大切。とくに、免疫を担う細胞の70%が腸に存在するので、乳酸や短鎖脂肪酸といった、健康に欠かせない成分をつくる、いわゆる善玉菌を増やすことが大切です」
善玉菌は、発酵食品や乳酸菌などを摂取して直接増やす方法と、水溶性食物繊維やオリゴ糖などの、善玉菌のエサになるものを摂取することで育てる方法がある。
「以前、佐賀県有田町の小中学生が特定のヨーグルトを継続的に摂ったところ、周辺の自治体とくらべてインフルエンザの感染率が低く抑えられたという結果が話題になりました。小児消化器が専門の私も、ヨーグルトや発酵食品、食物繊維などを日常的に摂ることはおすすめです」