イギリス総選挙で揺れる“移民政策”「ルワンダ計画」で金と引き換えに移民をアフリカへ強制移送【news23】
2022年、ドーバー海峡をボートで入国しようとした人は4万人を超え、2018年の統計開始から最多になりました。 イギリス 有権者 「移民は受け入れるな。私たちが貧しくなるだけだ。住宅も医療もひっ迫している。移民を受け入れれば、受け入れるほどコストがかかる」 来週行われる総選挙で歴史的な大敗を喫するとの見方が強まる与党・保守党は、保守層の支持を取り戻すため、強行的な移民政策を打ち出しました。 こうした“強制排除”の動きに、国連は「難民条約に違反する危険な前例を作りかねない」などと、イギリス政府に慎重な対応を求めています。 ルワンダ政府は、経済的援助と引き換えに移民を受け入れるとしていて、イギリス政府はルワンダ側に、すでに約540億円(2億7000万ポンド)を支払っています。 ■「状況が良くなることだけを願って」母国で性暴力に苦しみ続けてきた女性は ルワンダ計画の対象となりうる難民申請者からは不安の声が聞こえてきました。 南部アフリカ・ナミビア出身のヴェムさん(仮名・38)は、2年前に11歳の娘とイギリスに逃れてきました。母国で叔父からの性暴力に苦しみ続けてきました。 ナミビア出身 ヴェムさん 「6歳にして歩けなくなるほど虐待されることが想像できますか?そのうえ身内からは、『嘘をついている』『悪い子だ』『呪われている』『恥さらしだ』と罵倒されます」 被害は数十年に及び、恐れていた事態が起こりました。 ナミビア出身 ヴェムさん 「(当時9歳の)娘にも被害が及ぶようになり、逃れることを決心したんです。正直な話をすると、もしまだナミビアにいたら私の命はなかったと思います」 ヴェムさんは、娘から「ルワンダ計画」について聞かれることが多くなったといいます。 ナミビア出身 ヴェムさん 「“ルワンダ計画”について娘は知っています。何が起きているのか答えてあげたいのに、私自身分かりません。状況が良くなることだけを願って大丈夫と言い聞かせています」