【解説】「燃料デブリ」取り出し作業着手 福島第一原発・廃炉へ新段階…実現は
村田記者 「実際の装置で動作確認のために小石をつかんだときの映像を見ると、先端の爪の幅は5ミリほどなんです。線量が高い場所なので、1日に作業できる時間も約2時間ということなので、取り出しには2週間ほどかかるということです」 森キャスター 「今回取り出したデブリのデータをもとに、今後どれぐらい取り出していくのか、量を増やしていくということですが、廃炉まではどれくらいの期間がかかるのでしょうか?」
村田記者 「国が示している廃炉完了までのスケジュール、いわゆるロードマップは、現状第3期まであります。10日のデブリの取り出し開始をもって、新たな第3期に入りました」 森キャスター 「ようやく第3期、ここまで13年半かかっているということですね」 村田記者 「そうなんです。廃炉までは、事故後30年から40年かかるということで、遅くとも2051年を目標としています。つまり、あと17年から27年ですが、本当に実現可能なのか、デブリ取り出しの方法について検討する委員会のトップは、次のように話しています」
燃料デブリ取り出し工法評価小委員会 更田豊志委員長 「(廃炉まで30~40年は)必ずしも工学的・技術的な根拠があって決めた期間ではない。期間に対して改めてきちんと定められるような情報が出てきた時点で、期間の議論をし始めるんだということになると思う」 森キャスター 「つまり遅くとも2051年という目標自体が、さらに伸びてしまう可能性もあるということですね」 村田記者 「そういうことですね。デブリ取り出しを含め、この1、2年で新たな情報が得られるので、廃炉の時期など改めて議論する材料がそろってくるのではないかと話していました。一方で原子力規制庁幹部からは『30~40年での廃炉達成には、相当な技術開発と調査を徹底しなければならず、非常に難しい』という声も聞かれます」 「取り出したデブリについても、どこで保管するのかという議論はまだこれからで、廃炉までには多くの困難を乗り越えていく必要があります」