「社会保険適用拡大」パートにも影響はある?社会保険加入で増える「老齢厚生年金額」をシミュレーション
【年金面】社会保険加入によるメリット
社会保険には年金と健康保険がありますが、まずは年金面でのメリットについて見ていきましょう。 厚生年金に加入することで、国民年金に上乗せして将来受け取る年金額を増やすことができます。 厚生年金に加入することで、老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金も増額するため、働けなくなった場合の保障や、万が一亡くなった際の遺族保障が充実されることになります。 ●シミュレーション:厚生年金に加入したら年金がいくら増える? では、これまでパートタイムで働いていた人が厚生年金に加入することで、年金額がどのくらい増えるのでしょうか。 国民年金にのみ加入している場合、年額は81万6000円となっています。 ここに厚生年金がどれだけ上乗せされるのか、厚生労働省のシミュレーション結果を詳しく確認していきます。 ・年収120万円で1年加入:6000円 ・年収120万円で10年加入:5万9700円 ・年収120万円で20年加入:11万9400円 ・年収150万円で1年加入:7700円 ・年収150万円で10年加入:7万6700円 ・年収150万円で20年加入:15万3500円 ・年収200万円で1年加入:1万400円 ・年収200万円で10年加入:10万3500円 ・年収200万円で20年加入:20万7100円 働く期間によって厚生年金の加入期間が変わるため、加入期間の長さが年金額に大きな影響を与えます。 老後まで働く予定の場合は、加入期間が長くなり、年金額が増えることが期待できるため、老後まで働く期間を加味して、シミュレーションを行い、厚生年金の上乗せ分がどのように増加するかを確認してみると良いです。
【医療面】社会保険加入によるメリット
社会保険に加入すると、健康保険においても多くのメリットを享受できます。 これまで配偶者の扶養や国民健康保険に加入していた場合、社会保険に加入することで以下の手当金が支給されるようになります。 ●傷病手当金が支給される 健康保険に加入すると、病気やけがで4日以上仕事を休んだ場合、傷病手当金を受け取ることができます。 金額は給与の約3分の2となり、満額ではありませんが、有給を消化せずに済むという利点があります。 ●出産手当金が支給される 出産のために会社を休んだ場合、給与の約3分の2の出産手当金を受け取ることができます。 このように社会保険に加入することで年金面・医療面でさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。 次章では、「保険料負担」について詳しく見ていきます。