黒川紀章のカプセルが、東京・東銀座に2基着陸!
2022年に解体された〈中銀カプセルタワービル〉から救出されたカプセルが、展示空間に生まれ変わりました。 【フォトギャラリーを見る】 1972年、黒川紀章の設計により東京・銀座に竣工したメタボリズム建築の傑作〈中銀カプセルタワービル〉。50年後の2022年に惜しまれつつ解体されたが、140基あったカプセルのうち23基が黒川紀章建築都市設計事務所の監修により修復され、国内外の美術館などの施設で再活用されることになった。そのうちの2基が、松竹が新たに設けたギャラリースペース〈SHUTL(シャトル)〉に設置されている。
鉄骨造のスペースに置かれた1基は内装をすべて取り除いた「スケルトン」、もう1基は内装を完全に修復した「オリジナル」とされ、2基の間の空間は「フリーダムスペース」、さらに屋外空間は「アウタースペース」とし、各々をレンタルして展示や販売、ワークショップなどに利用することができる。美術館などでは主に静態保存されるカプセルが、ここでは動態保存され、新たな表現や実験の場として活用されていく。
運営元の松竹は、歌舞伎などの伝統芸能の担い手でもあるが、黒川のメタボリズム思想を伝統文化の更新になぞらえている。〈シャトル〉が現代の表現者と日本文化が出会い、新たな表現を模索する場となることを目指しているのだ。
〈SHUTL〉
東京都中央区築地4-1-8。13時~19時。火曜・水曜休。
photo_Kenya Abe text_Akio Mitomi