女子日本代表、五輪前6戦全勝で締めくくり、林咲希「金メダルを取って帰ってきます」【バスケ】
現地で2戦してパリ五輪初戦に挑む
女子日本代表(FIBAランク9位)にとってオリンピック前国内最後の強化試合となる「三井不動産カップ2024 (東京大会)」(2日目)が7月5日、東京・有明アリーナで行われ、ニュージーランド(同26位)に92-50で勝利。これで中国での2戦も含めて五輪前6連勝と好調を維持して現地入りすることになった。 7月4日の試合では1Qに39-15というビッグクォーターを作ると、その後も3Pシュートが絶好調。125-57[3P成功率45.5%25/55)]と大勝した日本。初戦同様に馬瓜ステファニー、髙田真希、山本麻衣、林咲希、宮崎早織というスターターで本日の試合に臨んだ。まず宮崎のコースト・トゥ・コーストで初得点。スピードを見せつけると、町田瑠唯の投入からディフェンスが引き締まり、ターンオーバーを誘発させていく。その町田からのパスを受けて宮澤夕貴が左ウイングから3Pシュートを射抜くと、本橋菜子、東藤なな子らもスリーで追加点を奪い、24-13というスタートを切った。 初戦で大敗を喫しているニュージーランドは、高さを生かすべく早めにインサイドに入れていくが、インサイドでは2枚が付く日本のディフェンスに苦しんで得点が伸びない。それでも、193cmローレン・ウィッティカーはインサイド、3Pシュートから得点を重ねていく。その活躍もあって2Q開始3分で28-23と5点差まで迫られた。それでも、町田、本橋のパスから髙田が3Pシュート、山本のドライブなどで追加点を奪い、47-29とリードを保ってハーフタイムを迎えた。2Pシュートに関しては61.9% (13/21)といい数字をマークしたものの、3Pシュートは28.6%(6/21)と確率が低かったこともあって、恩塚HCは試合後に「ダウンサイドでシュートが来なかった」と振り返った。 しかし、今日の試合前に「(シュートが)入らなかったとしても、オフェンスリバウンドに入ること。高い位置でプレッシャーをかけること共有していた」と恩塚HC。アップテンポなオフェンスを見せ、ディフェンスでは高い位置からプレッシャーをかけてターンオーバーを引き出す。またオフェンスでは町田、山本、宮崎、本橋、吉田亜沙美らが常に2人コートにいることによってバリエーション豊富なパスを配給。連動してフロントラインが動いて次々とペイントアタック。そしてアウトサイドのディフェンスが手薄になったところで、3Pシュートを放つなど、スリーが今ひとつという中でもいい形を作って攻めることで、じりじりと点差を広げていく。3Qは23-9として32点のリードを作ると、“走り勝つシューター軍団”らしく最後まで運動量を落とすことなくプレーして勝利した。 試合後のフラッシュインタビューでは、本日5得点と振るわなかったキャプテンの林が「今日はスリーが決まらず。すみませんでした!」と切り出す。「まだまだ課題が残っている。今日のスリーだと勝つことができないと思うので全員でレベルアップして金メダルを取って帰ってきます」と宣言して会場を盛り上げた。 林の3Pシュートの数字は1/11ともちろんいい数字とは言えない。それでも恩塚亨HCは「謝ってはいたけど、リバウンド、ディフェンスなどできることで貢献してくれていた」とフォローしている。 オリンピック前の国際強化試合としては、中国での2戦2勝に続いて国内4試合すべてに勝利。これ以上ないいい結果と言えるが、大事なのは本番のオリンピックで、いかにいいパフォーマンスを発揮するかだ。このあと、女子日本代表はフランス入りし、現地7月19日に開催国で前回銅メダルのフランス(同7位)と、同21日にEURO2023覇者のベルギー(同4位)と対戦する。 その試合に向けて恩塚HCは「戦術的にも個人的にも何が一番力を発揮できるかを試したいし、課題についても改修していきたい。試したいことがいくつかあるので、相手の反応を見てみたい。オリンピックで選手たちが力を出し切るための機会と見ている」と試せることをやって本番に臨むと語っている。 日本の五輪初戦は、現地7月29日21時~(日本時間30日4時~)、東京2020大会決勝で対戦したアメリカと対戦する。 恩塚HCはフラッシュインタビューで「私たちは金メダルを取ると心に決めて、これまで全てをかけて努力してきました。選手たちも 朝から晩まで自分の意思で自分を高めようと、パリで最高のパフォーマンスを出そうと日々頑張ってくれてきています。今日の試合、いいところもあれば、課題もあったものの、『今、この瞬間何ができるか』ということをしっかり見出してやってくれています。どんなことがあっても、私たちのバスケットやりきってくれると思っています。世界を驚かすことができると思っています」と力強く語っている。再び世界を驚かすチャンスで、どんなプレーを見せるか。“走り勝つシューター軍団”の戦いに注目したい。 日本 92(24-13/23-16/23-9/22-12)50ニュージーランド <オリンピックグループフェイズ試合予定/開催地:リール> 7月29日(月)21時~[日本時間30日(火)4時~]:日本対アメリカ 8月1日(木)11時~[日本時間1日(木)18時~]:日本対ドイツ 8月4日(日)11時~[日本時間4日(日)18時~]:日本対ベルギー ■第33回オリンピック競技大会(2024/パリ) 5人制バスケットボール女子日本代表チーム 【スタッフ】 チームリーダー 小栗 弘 (公益財団法人日本バスケットボール協会) ヘッドコーチ 恩塚 亨(公益財団法人日本バスケットボール協会) アシスタントコーチ 鈴木 良和(株式会社ERUTLUC) アシスタントコーチ 今野 駿(三井住友銀行) スポーツパフォーマンスコーチ 臼井 智洋(公益財団法人日本バスケットボール協会) アスレティックトレーナー 荻野 まゆみ(公益財団法人日本バスケットボール協会) アスレティックトレーナー 宮口 佳子(S-Life はりきゅう院) マネージャー 成田 明香(デンソー アイリス) マネージャー 小松 佳緒里(ENEOSサンフラワーズ) テクニカルスタッフ 梅津 ひなの(公益財団法人日本バスケットボール協会) 【内定選手】※12名 吉田 亜沙美(PG / 165cm / 公益財団法人日本バスケットボール協会) 髙田 真希(C / 185cm / デンソー アイリス) 町田 瑠唯(PG / 162cm / 富士通レッドウェーブ) 宮澤 夕貴(PF / 183cm / 富士通レッドウェーブ) 本橋 菜子(PG / 164cm / 東京羽田ヴィッキーズ) 林 咲希(SF / 173cm / 富士通レッドウェーブ) 馬瓜 エブリン(PF / 180cm / デンソー アイリス) 宮崎 早織(PG / 167cm / ENEOSサンフラワーズ) 赤穂 ひまわり(PF / 184cm / デンソー アイリス) 馬瓜 ステファニー(PF / 182cm / CASADEMONT ZARAGOZA) 山本 麻衣(PG / 163cm / トヨタ自動車 アンテロープス) 東藤 なな子(SF / 175cm / トヨタ紡織サンシャインラビッツ) ※平均:173.6cm ※ポジション(P)=PG-ポイントガード、SG-シューティングガード、SF-スモールフォワード、PF-パワーフォワード、C-センター