デジタル化加速「行政の在り方もDX本格的に」 神奈川・黒岩知事 新春インタビュー
--県内でも少子化対策は待ったなしの状態にある
「子供を産むかどうかはそれぞれの価値観。ただ、今は『これぐらい子供を持ちたい』と思っている人も、実際そうなっていないのが現実としてある。経済面や女性のキャリア形成などに不安があるからだと思う。不安を取り除く力になるのがDX。『かながわ子育てパーソナルサポート』を使えば、いろんな相談ができる。昔は家族や近所のコミュニティーで相談できた。コミュニティーの再生も重要だが、デジタルによる仮想コミュニティーで、誰かとつながり、支えられる。それを生かしながら乗り越えていきたい」
--今年は、いわゆる団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になるなど高齢社会が加速度的に進んでいく
「私が『百歳時代』という本を書いた平成28年当時は、まだ100歳時代は少し早いんじゃないかといわれていた。今は現実化しつつあるとみていい。高齢者になったら病気になってもしょうがないといっていたら、とても支えられない。健康と病気の間の『未病』の段階で少しでも改善していく流れを作る。そのためには、食生活と運動、そして社会参加が大事になる。昨秋には、湘南鎌倉総合病院(鎌倉市)に国際未病医療センターができた。病気になってから治すモデルから、未病改善という流れが、ありとあらゆる形で広がりつつあるなと実感している」
■黒岩県政のデジタル戦略
黒岩県政のデジタル戦略の一つとして、子育てに必要な支援情報が手に入る「かながわ子育てパーソナルサポート」が令和5年12月からスタートした。通信アプリのLINEを活用し、住所や子供の年齢を登録すると、それに合わせて情報を得られるほか、幼稚園や保育園を探すことや子育ての悩み相談などもできる。6年12月にはサービスを拡充。登録者数は同月18日時点で、5万261人に上る。
また、同様にLINEを使って災害や避難に関する情報が届く「かながわ防災パーソナルサポート」も6年6月に運用を開始。同日時点で1万1565人が登録している。