キューバで大規模停電頻発、ハリケーン襲来で被害甚大か
[ハバナ 20日 ロイター] - キューバで20日、この48時間で4度目となる大規模な停電が起きた。同国にはハリケーン「オスカー」が接近して北東部は暴風雨圏に入っており、老朽化したインフラが甚大な被害を受ける恐れがある。 一連の停電は18日に始まった。キューバの電力系統は同日、同国最大の発電所が操業を停止したことを受けて電力供給を停止。国営メディアによると、電力系統は19日にも停止した。当局は19日夕方までに、電力系統の復旧がある程度進んだと発表したが、その後、一部の電力系統が再び止まった。 デラオレビ・エネルギー・鉱業相は20日、記者団に対し、電力系統は21日もしくは22日に完全復旧するとの見通しを示したが、劇的な改善は期待しないようにと付け加えた。 キューバの大半の地域ではここ数週間、1日のうち10─20時間も電力が利用できない事態となっている。政府は電力供給状況が悪化している理由として、老朽化しているインフラの問題、燃料の不足、需要の増加を挙げている。 キューバ政府はまた、トランプ政権下の米国が科した貿易制裁により、燃料の輸入や火力発電所の部品購入が困難になったと主張している。 キューバは火力発電用の燃料を輸入に依存している。だが、かつて重要な燃料供給国だったベネズエラ、ロシア、メキシコは今年、キューバ向けの燃料輸出を大幅に削減した。 こうした中、キューバ政府はハリケーンの接近と停電を理由に学校を23日まで休校とした。インターネット監視団体ネットブロックスのデータによると、キューバでのインターネット通信量はこの週末に大きく減少した。大規模な停電により携帯電話などの充電ができなくなってインターネットに接続が不可能になったとみられる。