維新・吉村新代表「三足のわらじ」で多難の船出 衆院選直後の代表選、国政で埋没 国民民主にお株奪われ
吉村氏の「三足のわらじ」への懸念は、くしくも代表選を争った松沢成文参院議員が投票前の候補者演説で指摘した。
「私たちは吉村氏に頼りすぎだ。多くの仕事を抱え、スーパーマンでも厳しい。日本維新の主戦場は国会であり、リモートコントロールでは他党との丁々発止の戦いに勝てない」
■代表任期見直しへ
吉村氏は1日の記者会見で、党代表の任期見直しに言及した。「代表選をしている最中に国政での議論が進んだ。代表の任期についても、党のガバナンス委員会に諮(はか)りたい」と述べた。
維新は党規約で代表の任期を国政選挙や統一地方選といった大型選挙の投開票日から90日後と定める。自民党などが党首の任期を一定期間で区切るのと比べて変則的だ。
トップの去就を選挙結果に委ねる形だが、代表選を実施するかどうかは大型選挙後45日以内の臨時党大会で決める「2段階方式」を取る。
一方、10月の衆院選で与党が過半数割れしたため、与野党の政策協議が活発化した。なかでも手取り増を掲げて衆院選で躍進した国民民主党は維新よりも衆院の議席数が少ないにもかかわらず、政局のキャスチングボートを握る。維新は「改革政党」のお株を奪われた格好だ。
吉村氏は「今回、課題点を目の当たりにした。代表と執行部が誰になるのか分からず、国政での議論にコミットできていなかった」と述べ、代表の任期をガバナンス委員会に諮るとした。(山本考志、石橋明日佳、藤谷茂樹)