中3殺傷事件後に外出控えた容疑者、3日連続で出前注文…そば店男性「そわそわした様子」
北九州市小倉南区のファストフード店で中学3年の男女が殺傷された事件で、男子生徒(15)に対する殺人未遂容疑で逮捕された無職平原(ひらばる)政徳容疑者(43)。事件後の行動も徐々にわかってきた。 【写真】送検のため、小倉南署を出る平原政徳容疑者(20日)
捜査関係者によると、平原容疑者には妻子がいたが離婚し、2階建て一軒家に一人暮らし。防犯カメラやドライブレコーダーの映像を精査した結果、事件当日の14日は現場のファストフード店から車で帰宅した後、同じ車で買い物に出かけたとみられる。事件の際と同じ黄色いサンダルなどの姿のままだった。
しかし、県警が行動を確認し始めた事件3日後の17日頃以降は、警戒していたのか、外出せずに自宅にとどまっていたという。
この間も平原容疑者と接触があったのが、出前を届けたというそば店の男性(65)だった。
男性の話では、平原容疑者は16日から3日連続で、いずれも正午頃、カツ丼やざるそばの出前を注文してきた。それまで注文歴はなく、逮捕前日の18日には、メニュー表も届けるよう言われたという。
料理を届けに行くと、玄関にはごみが入った袋がいくつも積まれ、靴は散乱していた。平原容疑者はトレーナーにスエット姿。食べ終えた後の器を軒先に出しておくよう男性が伝えると、平原容疑者はうなずいただけで一言も発せず、ドアを閉めてすぐに鍵をかけた。
18日は出前で訪れると、平原容疑者がビール瓶を片手に出てきて、料理を受け取る際に瓶を床に落とした。「おろおろ、そわそわした様子で、落ち着きがなかった」と振り返る。
自宅では3日間とも無言で、「何もしゃべらないから不気味だった」。ただ、器を回収に行くと、毎回きれいに平らげていたという。男性は「逮捕後にあの家だとわかり、まさかと思った」と驚いた様子だった。