青木裕子が”新進気鋭の動物生態学者”に取材して「観察って必須」と感じた理由
フリーアナウンサー、VERYモデルとして活躍する青木裕子さん(instagram: @yukoaoki_official)は、10歳と8歳の2人の男の子の母。今年4月には、青木さんがお子さんたちと一緒に実践してきた「体験学習」の具体例や、小学校受験の大原先生による月々のアドバイスなどを掲載した、書籍『3歳からの子育て歳時記』が発売されました。 【写真】青木裕子が、20代女性の「子どもは産みたくない」という言葉で考えたこと 子育ての正解ってある? 教育ママじゃダメ? 子どもにとって“本当にいいこと”って? などなど、青木さんが子育てをする上で日々感じているアレコレを、「子どもの教育」をテーマにしつつ徒然なるままに語っていただいている本連載。今回は連載特別編として、6月21日に発売されたばかりの『講談社の動く図鑑 MOVE 動物 新訂二版』を監修した新進気鋭の動物生態学者・本郷峻先生(京都大学 白眉センター)を、青木さんが取材。先生の幼少期、研究者になった理由、そして5歳の娘さんの父としての子育て方法などを伺いました。 以下、青木さんによる連載です。
どの程度の“好き”ならば熱中しているといえるのか
「“自分はこうだったから”という思い込みで子育てをするのはなるべくやめよう。もっと広い視野を持つことを心がけよう」と常々思っている。 思ってはいるのだけど、やはり人間は自身の経験によってその考えが形成されていくわけで、“自分はこうだったから”の域を脱するのはなかなか難しい。だから、親である私こそが意識的に学んでいかなくちゃ、と思う。そういう意味で、いろいろな方のお話をうかがうというのは学びが多い。息子たちにも常々、多様な価値観に触れてほしいと思っているけれど、まずは私自身が、だ。そんな風に考えていたところ、ありがたいことに動物生態学者の本郷峻先生(京都大学 白眉センター)にお話をうかがう貴重な機会をいただいた。 「幼いころから動物が好きで、名古屋市東山動植物園、犬山の日本モンキーセンター、名古屋港水族館などによく連れて行ってもらいました。NHKの『生き物地球紀行』も毎週見ていましたね」という先生。 好きなことを追求してその道を究めた方って素敵だ。私が、その場その場で楽な方に流されてきた人生だから、憧れると同時に軽いコンプレックスさえ感じてしまう。息子たちにも何か夢中になれることを見つけてほしいと思いつつ、自分がそういう人生を歩んできていないからか不安が付きまとう。 私だけではなくて、子どもが熱中できるものがなかなか見つからないというのは“子育ての悩みあるある”じゃないだろうか。とりあえず続けているけど、そこまで熱意があるように見えなくて物足りなく感じる、とかも。 だけど一体どの程度の“好き”ならば熱中しているといえるのか。将来につながるくらいの“好き”だと言えるのか。先生の幼少期について伺うと意外な答えが返ってきた。 「四六時中動物のことを考えていたわけではなく、普通の子どもとして好きなものの一つに動物があった感じですよ。 “自分はこうしたい”みたいのがあんまりある子どもじゃなかったですし、“これがいいなあ”“何となく好きだな”くらいで、これがないとやっていけないみたいなことではなかったです。悪くないなということを続けていたら、他の人より得意になってより好きになる。自分を振り返るとそういう感じです。障壁がなかったから、そっちに進んでいったというか。あんまり覚えてはいないですけど、いろいろ手を出して、これは違うなと思ってやらなくなったこともあったと思いますし」