工藤夕貴「私、10年後は生きているかな?」友人の言葉が人生の転機に「広大な土地で農業をする」に至るまで
■自分のこだわりが誰かの役に立つことがうれしい ── カフェには地元の方や遠方からもリピーターが多いそうですね。 工藤さん:ありがたいですね。リピーターさんのおかげで成り立っています。うちのカレーを週に2回くらい食べに来てくださる方もいて、「工藤さんのカレーを食べてると調子がいいから食べにきちゃう」と言ってもらうと本当に嬉しいですし、やりがいを感じますね。
── 収穫した野菜なども取り扱っているそうですね。 工藤さん:その時々で野菜やお米も取り扱っています。うちの食材を食べて、これまで風邪をひきやすく体調を壊しがちだった娘さんが体質改善して丈夫になったというお話を聞いたり、食事を気遣う闘病中の患者さんのご家族がわざわざ買い求めに来てくれたりして「必要としてくれる方に売れてよかった」と。自分のこだわりが、実を結んだなと思えた瞬間でもあり嬉しかったですね。
PROFILE 工藤夕貴さん 1971年生まれ。東京都出身。1983年芸能界デビュー。映画『逆噴射家族』(1984)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。アメリカ映画『ミステリートレイン』(1989)出演以降、海外作品でも活躍。『戦争と青春』(1991)では日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。主演したハリウッド映画『ヒマラヤ杉に降る雪』(1999)ではアカデミー賞など多くの賞にノミネートされた。主な出演作に『SAYURI』(2005)『ラッシュアワー3』(2007)など。帰国後は静岡県に広大な土地を購入し俳優業の傍ら、無肥料、無農薬の自然農法で農業を行っている。昨年は父である歌手、故・井沢八郎の代表曲「あゝ上野駅」を娘として歌い継ぐべくカバー。感銘を受けた五木ひろしがアンサーソングとなる「父さんみてますか」で作曲に関わり、カバー曲と併せて収録したCDをリリース。演歌に初挑戦し新たな一面も話題となっている。 取材・文/加藤文惠 画像提供/工藤夕貴
加藤文惠