バレバレのニセ画像で支持者の拡大を狙うドナルド・トランプ
イメージ戦略にもAI。でもニセだってバレてるよ。 ドナルド・トランプ氏の支持者たちが、トランプ氏とアフリカ系有権者の仲睦まじげな画像をシェアしています。トランプ氏と白人至上主義グループとの密接な関係のせいで、人気がないアフリカ系コミュニティとの関係を修復しようとしているっぽいんですが、これよく見るとAI生成画像ですね、はい、ニセモノです。
有名番組が作成・拡散
2024年大統領選挙が始まろうとしていますが、AI生成のトランプ支持者のニセ画像がSNS上に登場してきています。 トランプ氏が複数のアフリカ系有権者たちと仲良く肩を組むクリスマスっぽいの写真です。保守的なトークショー番組「The Mark Kaye Show」が作成したもので、フォロワーが100万人以上いる番組ホストのマーク・ケイ氏のFacebookのページに投稿されたもの。BBCが最初に報じた際は、まだこれがAI生成されたものであるとは明かされていませんでした。 ケイ氏はFacebookの投稿で、「私は『BLMリーダーがドナルド・トランプを支持』という言葉を目にする日が来るとは思いませんでした。クリスマスはやっぱり奇跡を生み出す日ですね」と書いています。
よく見りゃバレバレじゃん?
でも、これニセ画像なんですよね。トランプ氏の指は変形していますし、左端の人物の薬指もおかしい。AIってやっぱりなぜか手や指が下手なんです。 左後ろにいる男性の帽子に書かれている文字は、文字になっていません。こんな感じで、2024年の大統領選挙においてAIは混乱や問題を起こす火種となりそうです。 トランプ氏とアフリカ系支持者のAI画像ですが、実はこれが初めてではありません。1月にも共和党を支持するアフリカ系男性の写真がバズりましたが、この男性の腕が3本あったことからニセ画像とバレてしまっています。 他にも、@Trump_History45というXアカウントは、トランプ氏とアフリカ系の人たちとのAI生成画像を頻繁に共有しているのですが、AI生成されたものであることはどこにも書かれていません。トランプ氏がキング牧師と一緒に写っているなど、明らかにジョークで作成された画像もあります。ただ、その画像のクオリティや認識不足から、これらをニセ画像とは認識していない人がいることがコメントから伺えます。 AI生成されたトランプ氏の画像は、大統領選のキャンペーンに関連付けられてはいませんが、トランプ氏はAIとまったく関係がないわけではありません。 トランプ氏は自分にとって都合悪い写真が出回ると、その写真はAI生成されたものだと何度も主張していて、最近でもゴルフ中のたるんだお腹がだらしなく出ている写真をAIだと言い張っていました(本物だったんですけどね)。この先トランプ氏が、こうやってますます巧みにAIを選挙の戦術として使っていく可能性は十分あります。