電源開発と九州電力 火力発電所のＣO2回収・貯留 マレー半島沖の調査業務を受託
電源開発（Ｊパワー）と九州電力は１０日、エネルギー・金属鉱物資源機構（ＪＯＧＭＥＣ）の「先進的ＣＣＳ事業に係る設計作業等」の公募で、マレー半島沖南部ＣＣＳ（二酸化炭素の回収・貯留）事業の調査業務を受託したと発表した。対象は２社が松浦市に所有する火力発電所から排出される二酸化炭素（ＣO2）で、２０３０年度までの貯留開始を目指す。 同南部ＣＣＳ事業を受託したのは２社を含む三井物産、中国電力などの計８社。２社は発電所近くに分離回収、液化、貯蔵、出荷などの各設備を設け、仕様やコストなどを調査・検討。排ガスから分離回収したＣO2は三井物産が開発を進めているマレー半島沖のＣO2貯留地に輸送し、貯留する。 ＪＯＧＭＥＣは本年度、同南部ＣＣＳ事業など計９件を選定し、うち５件が国内、４件が海外での貯留を想定。ＣO2などの温室効果ガスについて政府は３０年度に１３年度比で４６％削減する目標を掲げ、５０年までに排出実質ゼロを目指している。 Ｊパワーは「ＣＣＳをはじめＣO2フリー水素発電やアンモニア発電など最適な技術を選択し、電力の安定供給に貢献しながら石炭火力の低・脱炭素化を図る」、九電は「電源の低・脱炭素化に取り組んでいく。今回検討するＣＣＳなどさまざまな手段でカーボンニュートラルの実現に挑戦する」としている。
