グテーレス国連事務総長 「持続可能な開発目標」の80%、軌道から外れていると警鐘
国連のグテーレス事務総長はニューヨークの国連本部で一般討論演説を行い、「持続可能な開発目標」の80%が軌道から外れていると警鐘を鳴らしました。 国連のグテーレス事務総長は24日、国連総会の一般討論演説の冒頭で演説を行いました。 国連は2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標」を定めていて、「貧困をなくす」「饑餓をゼロにする」など17の目標を掲げています。 24日に始まった国連総会の一般討論演説で、グテーレス事務総長は「世界は持続不可能な状況だ」「持続可能な開発目標の80%が軌道から外れている」と警鐘を鳴らしました。 気候変動問題については、世界の気温上昇を1.5℃以内に抑える目標を実行するにあたり、G20諸国が温暖化ガスの排出量の8割を占めていると指摘しました。 その上で、「私たちは地球を破壊する汚染者に報酬を与え続けている」と述べ、G20諸国に化石燃料産業への補助金をクリーンエネルギーへの投資に転換すべきだと迫りました。 また、目標の一つであるジェンダー平等について、差別や虐待があらゆる社会でまん延していて、多くの女性や少女が不当な扱いを受けていると懸念を示しました。 さらに、国連の一般討論演説を行う各国の元首や外交関係者のうち、女性の割合は1割にも満たないと述べ、世界中の男性優位の政治・経済体制について行動を起こすよう呼びかけました。 また、機能不全が指摘されている安全保障理事会については、安保理が設立された第2次世界大戦直後はアフリカの大部分が植民地の支配下にあったと指摘した上で、常任理事国をアフリカに拡大すべきだと訴えました。