ジェシー“杉浦”が張り切る姿がかわいい、聖地巡礼に潜んでいた行き過ぎた愛<モンスター>
趣里が主演を務める「モンスター」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の第7話が、11月25日に放送された。新たな依頼は、亮子(趣里)ではなく、杉浦(ジェシー)にご指名が。杉浦が張り切りつつ挑んだのは、ドラマの聖地で起きた悲劇だった。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】調査の中で亮子(趣里)が“歌うま”なカラオケ披露 ■異色のリーガル・エンターテインメント 本作は、“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子(趣里)が主人公。時に法が追いついていない令和ならではのさまざまな問題と向き合い、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう、異色のリーガル・エンターテインメントだ。 物事の本質を見抜き、独自の解釈のもと裁判を掻き回す型破りな“モンスター”だからこそ、人間が訳もなく悪意に満ちてしまう、“モンスター”になる瞬間を見逃さず、冷静に事件を解決に導き、周囲の価値観を覆しながら影響を与えていく。 亮子に振り回されることになる東大法学部卒の若手弁護士・杉浦義弘をジェシー(SixTONES)、失踪中の亮子の父・粒来春明を古田新太、亮子と杉浦が所属する法律事務所の所長・大草圭子をYOUが演じる。 ■杉浦が指名され、亮子はサポート役に 人気ドラマの撮影が行われ、ファンにとって聖地となった公園。その近くのまんじゅう店では、ドラマとコラボしたまんじゅうが連日売り切れになっていた。静かな街が一転して騒々しくなったことで相談に来た住人に「引っ越すのはどうですか?」と提案した亮子だったが、公園を会場にしたドラマプロデューサーによるトークショーに杉浦と共に訪れた。 すると、そこで出店していたまんじゅう店の従業員・前園里佳子(堀未央奈)が倒れた拍子に機材の配線で感電し、意識を失ってしまう。亮子の指示で救急車を呼んだ杉浦が彼女に付き添った。 後日、九死に一生を得た里佳子が事務所を訪ねてきた。イベントの安全対策がおろそかだったとし、役所の観光課、テレビ局の事業部、さらには過重労働を強いたまんじゅう店の店主を相手取り、損害賠償1億円を請求したいという里佳子。担当に指名したのは杉浦だった。 ■ドラマファンの行き過ぎた愛を亮子が見抜く 訴えられた三者は罪のなすりつけ合い。杉浦に助言を求められた亮子は、里佳子に対する不審な点を鋭く指摘し、「自作自演」の可能性を告げるが、杉浦は「とにかく前園さんの依頼にちゃんと応える方向で、僕が1人でちゃんとやりますから!」と意気込んだ。 聞き取り調査する中で、まんじゅうをモグモグ食べて「おいしい」とにっこりするかわいさがありつつ、杉浦のがんばりは応援したくなった。そんな杉浦は、ドラマプロデューサーの圧力があったとしてテレビ局に訴えを絞る考えを示したが、亮子は「異議あり」として示談を提案した。独自に騒動の元となったドラマを視聴し、ファンによるブログも読み、プロデューサーが訪れたスナックにも行った亮子が導きだしたものだった。 プロデューサーさえも会社からの圧力で利益追求のために動かされていた一人だった。お金になることの一つ、トークショーも本当はやりたくなく、「俺が作品のことを表で語るたびに、作品の世界観を壊しているような気がして。ファンの人たちも同じこと考えているような人がいて。全然わかってないって言われてることもわかってた」と打ち明け、感電事故にあった里佳子にあらためて詫びた。 テレビ局という会社、プロデューサー、テレビ局事業部、市の観光課、まんじゅう店と、いくつもの“モンスター”が重なっていったのかと思われた。だが、今回の真の“モンスター”は里佳子だった。 ドラマを愛するあまり、その世界をつくる重要なシーンだった公園のあるまちに、仕事を辞めて借金してまで移住した里佳子は、コラボまんじゅうなどは作品が汚れるだけで、何よりも世界観を変える続編に憤っていた。「作品が私の人生」とまで言い切った里佳子は、続編制作をさせないために「作品と心中」しようと自作自演で感電事故を起こしたのだ。 今回、杉浦の法廷シーンがなかったのは残念だったが、亮子の非凡さがいっそう際立ちながらも、杉浦は表から、亮子は裏からといったような感じで、コンビで解決に向かっていく面白さがあった。 視聴者からは、里佳子というモンスターを身近に感じた意見も。「ファンも一歩間違えばモンスターになる」「ファンのマナーを考えさせられる一面があった」「度を超えたモンスターにはなりたくないな…って思った」「今回はアイドルファンとしてもグサグサ刺さってきました」という声が上がった。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部