節電ニーズも後押し。足の冷え対策に特化した靴下が爆売れしている理由「パッケージを変えたら売上が17倍に」
今年は暖冬とはいえ、冬はやはり足元の冷えが気になるもの。さまざまなメーカーからルームソックスや冷え防止対策アイテムが発売されているが、その中でも「靴下サプリ まるでこたつソックス」の売上が好調に推移している。しかし、好調のアイテムにも、実は不遇の時代があったようだ。同商品を扱う岡本株式会社で「靴下サプリ」のブランドマネージャーを務める青柳一輝氏にリブランドの道のりについて訊いた。 【画像】「靴下サプリ まるでこたつソックス」のパッケージの変遷
「三陰交」の言葉が消費者にわかりづらくて、はじめは売れなかった
足先からふくらはぎまでふわふわな履き心地で包み込み、冷えに効くといわれる「三陰交」部分を温熱刺激することで温めるのが特徴のソックスこそ、「靴下サプリ まるでこたつソックス」。レッグウェアを製造販売する岡本株式会社の主力商品の一つだ。 記者は「フローリングの底冷えで、キッチンに立つのがつらい」「暖房で上半身は暖かいのに、足先が冷えてデスクワークがはかどらない」というときには必ず同商品を着用している。昨年は人気で完売していて、1足しか買えず、洗い替えに困った。 「靴下サプリ まるでこたつソックス」は、シリーズ累計販売足数で70万足(2015年~2020年)を突破。2021~2022年シーズンは完売したほどの人気商品だ。2023年シーズンも暖冬でありがなら、昨年シーズンを上回る販売数を推移しているという。 今や同社を牽引する商品だが、2013年の発売当初、売上はふるわなかった。 「もともとは『三陰交をあたためるソックス』という名前の商品でした。その名の通り、独自の技術で足首にあるツボの三陰交を温める機能をもつ、冷え対策靴下として開発されました。また特殊保温・発熱素材を使用し、弊社が開発した編み機で製造した渾身の新商品でした。ですが、これが売れなかったんです」(青柳さん、以下同) 同商品の機能性に自信があった同社は、このままでは終われないとリブランドに取り組むことにする。 機能を伝えることが優先になっていて、まず「三陰交」自体、一般的にはわかりづらい、伝わりづらかったことを青柳氏は振り返る。 「まずはお客様にわかりやすいネーミングに変えることを考えました」 とにかく足元が温かくなるということをストレートに伝えるためにふんわり足先から包み込み、まるでこたつの中に入っているかのように温かくリラックスして履けるという点に注目して「まるでこたつソックス」というネーミングに変えることに。またブランド名は「靴下サプリ」を採用した。 「靴下に関心を持っている方は少なく、機能性の高い靴下があるということをもっと訴求していかなくてはいけないと思いました。サプリのように、靴下を履くことで心と体を健康で美しい状態に導いていくというブランドコンセプトを打ち立て『靴下サプリ』をブランド名にしました」