ファンが待ち侘びるドジャースでの初アーチ。大谷翔平メジャー6年間の「シーズン初本塁打」を振り返る<SLUGGER>
▼2021年 日付:4月2日(2試合目) 相手投手:リアム・ヘンドリックス(ホワイトソックス) シーズン通算:46本塁打(155試合) この年は「登板日は打席に立たない」「登板翌日は休養」などの制限を撤廃。二刀流本格稼働で勝負のシーズンに臨んだ。第1号アーチが出たのは開幕2戦目。6対12と大量リードされた9回裏、球界屈指のクローザー、リアム・ヘンドリクスからライナーで右中間戦に叩き込んだ。 だが、ファンにとってより印象が強いのはその2日後の試合だろう。渡米後初めて「2番・投手」で出場した大谷は初回にいきなり101マイルを叩き出すと、その裏には飛距離451フィート(約137.5メートル)の超豪快弾。“二刀流・大谷”の凄さを全米に知らしめたこのシーンは、大谷のキャリアの中でも最も印象に残る名場面の一つと言っていい。 本塁打王のタイトルこそ逃したものの、この年は満票でMVPを獲得。大谷は文字通り、MLB最高のプレーヤーとなった。 ▼2022年 日付:4月15日(8試合目) 相手投手:マット・ブッシュ(レンジャーズ) シーズン通算:34本塁打(157試合) 開幕から1番に座った大谷だが、最初の7試合は打率.172、OPS.441とスロースタート。しかし、「ジャッキー・ロビンソン・デー」で背番号42を着けたこの日は違った。 初回、プレーボール開始直後の打球をいきなり高々と打ち上げ、グローブライフ・フィールドの右中間のブルペンに放り込むと、5回にも左腕コルビー・アラードから打った瞬間それと分かる特大アーチ。それまでの鬱憤を晴らすかのような爆発で勝利に貢献した。 この年は本塁打数こそ前年から12本減らし、2年連続MVPを逃したものの、投球面での成長が目覚ましく、史上初の「規定打席&規定投球回」に到達。二刀流選手としての“完成度”という点では前年を上回った。 ▼2023年 日付:4月2日(3試合目) 相手投手:ケン・ウォルディチャック(アスレティックス) シーズン通算:44本塁打(135試合) 3月に行われたWBCでは投打にわたる活躍で侍ジャパンの3大会ぶりの優勝に大きく貢献。直後に開幕を迎えたレギュラーシーズンでも、疲労の影響を感じさせない活躍を見せた。 敵地で行われた開幕3戦目のアスレティックス戦の5回、WBC決勝で名勝負を演じたマイク・トラウトがまずセンターへ豪快な一発を放つと、続く大谷も負けじとバックスクリーン右へ文句なしの本塁打。エンジェルスが誇る二枚看板の競演に、ベンチは大いに盛り上がった。 大谷はその後も順調にアーチを量産し、前半戦だけで32ホーマー。8月下旬に右肘、9月上旬には右脇腹を痛めて最後の1ヵ月を欠場したにもかかわらず、日本人選手では初の本塁打王を獲得。2度の満票MVP受賞というMLB史上初の偉業も成し遂げた大谷は、シーズン終了後にFAとなり、ドジャースと10年7億ドルの超大型契約を結んでアナハイムを去っていった。 構成●SLUGGER編集部
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