「2000年代初期までのパタゴニアが大好物」古着のプロが愛用する、垂涎のお宝アイテムたち

アウトドアアイテムであるパタゴニアは、機能からくるデザインが秀逸で“ギア以上”の人気を持つ。 【写真12点】「古着のプロのお宝パタゴニアたち」を写真でチェック

宮川正大さん●東京・富ヶ谷のヴィンテージショップ「O・KI・DO・KI」店長。40年ほど前に渋谷駅近くで創業開始した東京を代表する老舗。同地に移転して8年目。良質でデザイン性に優れた古着をリーズナブルに展開している。奥渋の顔として人気を集めている。

古着のプロである宮川正大さんが特に惹かれるのは、2000年代初期までのパタゴニアだという。

雑誌『Boon』がパタゴニアの目覚めに

’90年代後期に「ODボックス」で購入したウエストポーチはいまなお現役。ブラック×パープルのコンビは、宮川さんのお気に入りカラーだ。

宮川さんがパタゴニアに惹かれたきっかけは、青春時代にオーシャンズ世代の多くが通ったバイブル的雑誌だった。

’91年製のウェットアンドドライギアバッグは、貴重なダッフル仕様。厚手のビニール仕上げで作りは頑丈。先述のミニポーチと同じく、宮川さんの大好きなブラック×パープルのコンビ。

「『Boon』を見て、パタゴニアってカッコいいなと思ったのが最初です。当時、お洒落な人はみんなパタゴニアのジャケットに古着のブラックデニムをはいて、足元はビルケンシュトックというファッションでした。 初めてのパタゴニアは、1998年に上野の『ODボックス』で買ったナイトロ2。ブラックシェルが欲しくて買いました。当時のブラックシェルはナイトロ2とトーレしかなかったのですが、トーレのほうが少し高価だったんです」。

ラバー製のポップな型押しロゴのタグは、旧アイテムにだけ付属する珍しいもの。

古着好きの宮川さんにとって、人生初のパタゴニアが新品というのも意外だが、当時の状況では必然だった。

雑誌『Boon』がパタゴニアの目覚めに

「’90年代中期になれば古着でもパタゴニアが見つかりましたが、弾数が少ないので、人気モデルの中古品はあまり見つからなかったんですよ。 ちなみに、あの頃はまだパタゴニアの直営店が少なく、セレクトショップに置いてあった商品は並行輸入品が多かったと思います。先述のナイトロ2を買ったあと、古着店の人と仲良くなったこともあって、そのツテで古着のダスパーカやシンプルベストなども買うようになりました」。

赤×黒を駆使した、美しいシャドウチェックのネルシャツは、アメカジ感漂う味のある一着。「L」サイズはあまり出回らないレアものだ。

本人曰く、今では古着も新品も等しく注目しているという。 「最近は、シンチラカーディガンを新品で買いました。襟無しのものは古着だとまず見つかりませんね」。

この日の宮川さんはパタゴニアのヘビーフランネルシャツに、ラルフ ローレンのチノをはき、足元はクラークスのデザートトルーパー、キャップはポロ。アイテムだけ見るとアメカジ全開だが、見た目はかなり上品で適度に抜け感がある。

この日着用していたネルシャツは、お気に入りコレクションの一つだ。

オレンジ×赤をベースにしたポップな小紋柄が映えるフリクションベルト。

「90年代中期～2000年代初期に作られたと思われるヘビーフランネルシャツで、10年以上前に古着で購入しました。身幅＆アームホールが広めにとられていて、いまのトレンドにもマッチしていてよく着ます。あとベーシックなチェック柄というのもすごく気に入っています」