会社員で「年収450万円」の夫が死亡しました。妻である私は「遺族年金」をいくら受け取れますか? 夫はまだ30代でした
公的な遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類ありますが、その金額は家族構成や年収・勤続年数によって異なります。新卒で22歳から会社員として働き、年収450万円の夫が39歳で死亡した場合、その妻が受け取れる遺族年金の金額は一体どのくらいになるのでしょうか? 本記事では、遺族年金の受給要件を解説したうえで、受給金額をシミュレーションします。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
遺族基礎年金の受給要件と支給額
遺族基礎年金は、生前の年収に関係なく、一律の年金額を受け取ることができます。遺族基礎年金を受け取ることができるのは死亡した人に生計を維持されていた「子どものある配偶者」か「子ども」です。 つまり子どものいない夫婦の場合、夫が死亡しても、妻は遺族基礎年金を受給することはできません。 「子ども」の定義として、18歳になる年度の3月31日までの間にある人(障害等級1級または2級の場合は20歳未満の人)を指します。 遺族基礎年金の年金額は「81万6000円+子の加算額」(令和6年度の金額で、昭和31年4月2日以後生まれの場合)です。 子ども1人当たりの加算額は子ども1人目および2人目は 23万4800円、3人目以降の子の加算額は7万8300円です。子ども1人だと年間約105万円、子ども2人だと約128万円、子ども3人だと約136万円の遺族基礎年金を受け取ることができます。
遺族厚生年金の支給額
遺族厚生年金の支給額は「亡くなられた方の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4」です。老齢厚生年金の報酬比例部分の計算式は「平均標準報酬額×0.005481×厚生年金加入期間月数」(平成15年4月以降の加入期間の場合)です。 平均標準報酬額とは各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間で割った額で、年収450万円の場合の平均標準報酬額は38万円となります。厚生年金加入期間月数は、22歳から39歳までなので17年(204月)で300月未満のため、300月として計算します。 仮に新卒時の22歳から死亡時まで38万円の平均標準報酬額だった場合、遺族厚生年金は、 38万円×0.005481×300月×3/4=46万8625円/年 となります。 遺族厚生年金に子どもの加算はありません。ただし中高齢寡婦加算という制度があります。 ■遺族厚生年金の中高齢寡婦加算とは? 中高齢寡婦加算は次のいずれかに該当する人が対象となり、40歳から65歳になるまで加算されます。 ●夫が死亡したときに妻が40歳以上65歳未満で、生計を同じくする子がいない場合 ●遺族厚生年金と遺族基礎年金を受け取っていた子のある妻(40歳に達した当時、子がいるために遺族基礎年金を受けていた妻に限る)が、子が18歳になった年度の3月31日に達した(子が障害等級1級または2級の場合は20歳に達した)ため、遺族基礎年金を受け取ることができなくなった場合 中高齢の寡婦加算額は年額61万2000円で、遺族基礎年金や障害基礎年金を受け取ることができる場合、支給は停止されます。