場所によって明暗が……「ラーメン店の生き残り策」をラーメンコンサルタントが解説
高価格帯のお店と安いお店に分かれていく
飯田)一言でラーメンと言っても、これだけ多様な文化があるのは日本独自だと思いますが、この先のラーメン界はどうなっていくのでしょうか? 宮崎)しっかり値上げして「高価格帯」でも受け入れられるようなラーメンをつくる店や会社と、いままで通りの「安いお店」に分かれると思います。どうやって付加価値を付け、価格を上げてもお客様が納得できるものをつくれるか。
コロナ禍で得た「無駄をなくす」知恵が食材ロスにもつながる
宮崎)あとは、未来永劫ラーメンを発展させるため、食材ロスや食育などに取り組むことも必要だと思います。 飯田)持続可能なラーメン。そうすると、食材も国産にこだわる形になるのでしょうか? 宮崎)我々も本店や「革新家」では国産の食材にこだわっています。スープに使う煮干しも価格が3倍になったので、スープに使った肉をチャーシューのタレにつけて出すなど、無駄がないようにしています。本店が肉を一頭買いしているのですが、端材を使ったコロッケやメンチカツをつくり、パン屋さんも営んでいます。麺をつくって焼きそばパンをお出ししたり。それはコロナ禍で得た知恵です。無駄をなくせば食料自給率が上がるし、食材ロスも減らせます。 飯田)その過程を子どもに見せることで、ものの大切さも教育できますね。 宮崎)お客さんと会話すると、「それなら、あのパンを買っていこう」と言われたりします。 飯田)ラーメンそのものをメディアにしていく。 宮崎)「ラーメンとはこういうもの」ではなく、別のところに目を向けてもらえるよう、面白い仕掛けをいつも考えています。もっとラーメンは発展できると思います。