オンラインとオフラインでの煙草カード規制、課題続く
【東方新報】北京市控煙協会は6月30日、「煙卡(煙草カード)」に対する監督と管理を求める通知を発表してから1か月以上が経過した。最近、北京商報(Beijing Business Today)の記者が調査したところ、オフラインでの規制が徐々に成果を見せており、北京の多くの学校周辺の店舗や玩具市場では「煙草カード」の姿をほとんど見かけなくなった。しかし、オンラインでは依然として何万件もの販売実績を持つ店舗が存在し、背後には整った産業チェーンが形成されている。分析によると、オンラインでの規制はより困難で複雑であり、国内には「煙草カード」および関連製品を全ネットで取り締まるための統一された規制政策や手段が欠如しているため、完全な取り締まりにはまだ課題が残っている。 ■オフラインでは効果が現れ始めている 「煙草カード」とは、煙草のパッケージを裁断し、長方形のカードに折りたたんで地面に置き、手で叩いて空気を使ってカードをひっくり返し、より多くのカードをひっくり返した人が勝つという遊びだ。この遊びに関する動画は、あるソーシャルメディアで1.8万回再生され、「煙草カード」関連の動画全体の再生回数は37.2億回に達している。 今年に入ってから「煙草カード」遊びは小学生の間で流行しているが、煙草と密接に関連しているため、健康リスクが指摘されている。一部の教育部門は学校と協力し、「煙草カード」遊びを制限する措置を講じている。また、市場監督部門も地元の煙草専売局などと連携し、学校周辺や子供用品市場での「煙草カード」の販売を取り締まっている。 6月30日、北京市控煙協会は「煙草カード」の流行が小学生に悪影響を及ぼす可能性があると警告した。具体的には、学生が「煙草カード」に夢中になり授業に集中できなくなること、ギャンブルと見なされる可能性、煙草の商標に早期に触れることで喫煙を試みる心理的暗示が生じること、そして煙草カードを手に入れるためにゴミ箱などから煙草のパッケージを探す行為が健康に悪影響を及ぼすことが挙げられた。これらの理由から、同協会は「煙草カード」に対する監督管理を提案している。 ■オンラインではまだ流行中 オフラインに比べ、オンラインでは「煙草カード」の販売が引き続き活発だ。ある電子商取引(EC)プラットフォームで「煙草カード」を検索したところ、依然として多くの販売実績を持つ店舗があり、さまざまな煙草ブランドの「煙草カード」が折りたたまれて販売されている。価格は数元(10元は約205円)から数百元(100元は約2050円)まで幅広く設定されている。 オンラインの多くの店舗では「本物の煙草カード」と明示し、煙草パッケージから切り取ったものであることを強調している。中には、茶室から回収した空の煙草パッケージを販売する店舗もある。さらに、ある店舗では「工場から直接発送」と表記され、協力者のふりをして問い合わせたところ、工場とは「煙草カード」を供給している煙草工場を指しているとのことだ。 北京市中同弁護士事務所のパートナー、李莉(Li Li)氏は、商標権者の同意を得ずに「煙草カード」を販売する行為は、偽造品であれ本物であれ、商標法に違反し、商標権を侵害する行為に該当すると指摘している。また、「煙草カード」を販売することで未成年者が早期に煙草に触れる可能性があり、未成年者保護法にも違反する可能性があると述べている。 インターネット産業アナリストの張書楽(Zhang Shule)氏は、販売業者の数が多く、取引が匿名で行われ、地域的な制約を受けないなどの理由から、オンラインでの「煙草カード」販売の監視はさらに困難で複雑であると指摘している。さらに、現時点で国内にはオンラインでの「煙草カード」監視の統一された政策がなく、ECプラットフォームには「煙草カード」および関連製品を削除するための明確な基準が存在しないと述べた。 ■包括的な対策が必要 「煙草カード」の監視管理を提案した後、北京市控煙協会は7月26日、公式微信(ウィーチャット、WeChat)アカウントを通じて「煙草カード」遊びを禁止するよう社会全体に呼びかけた。保護者は模範を示し、保護者と学校が子供たちに「煙草カード」遊びをやめさせるよう促し、保護者が子供たちと積極的にコミュニケーションを取ることを推奨している。 この提案は、北京市控煙協会の事務局長であり、首都医科大学(Capital Medical University)公衆衛生学院の教授である李星明(Li Xingming)氏によって起草された。北京商報のインタビューに応じた李星明氏は、北京市控煙協会は北京市教育部門との協力をさらに強化し、今年の秋学期の初めに「煙草カード」遊びを禁止する宣伝教育を一部の学校で実施することを提案した。また、教育部門や学校と協力して市内全体の「煙草カード」の実態調査を行い、さらに監視と指導を行うための基盤を築くことが望ましいと述べた。 オンラインで「煙草カード」の販売が依然として盛んな問題について、李星明氏は、オンラインでの取り締まりを進めるためには、まず「煙草カード」の有害性に対する社会全体の共通認識を促進する必要があると述べている。また、オンラインでの特別な取り締まりを行い、その結果を公表して、周知徹底を図ることが重要だと強調した。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。