【独自】岸田首相の森喜朗「電話聴取」の一問一答がヤバすぎ《茶番劇「ご指導をお願いしたい」の一部始終》
萩生田と松野の処分が軽かった理由
「あんなこと言ってもいいのかなと思いましまたね」 苦笑いを浮かべて語るのは、安倍派所属の現役国会議員・X氏である。 【写真】再逮捕された「美人すぎる寝屋川市議」の写真集全カット 自民党の裏金事件で、安倍派の座長だった塩谷立衆議院議員と、参議院トップの世耕弘成参議院議員を「離党勧告」の処分を受けた。世耕氏と同じ「安倍派5人衆」とよばれる萩生田光一前政調会長と、松野博一前官房長官は「党の役職停止1年間」と大甘な処分で、対照的な内容となった。 「離党」と「役職停止」は天と地ほどの開きがある。なぜここまで差がついたのか。理由の一つに、森喜朗元首相との関係を指摘する声は多い。いわく、森元首相と親しい松野氏や萩生田氏は軽い処分に、そして距離がある世耕氏は断罪されたのではないか──。 岸田首相は、森元首相について、4月4日の記者会見でこう説明している。 「私が直接電話をかけ事情を聞いたが、具体的な関与については確認できなかった」 5日には衆議院内閣委員会でも同様に答えた。 このころ、先のX議員は、森元首相と電話で直接話す機会があった。 「岸田首相がキックバックのことで事情聴取したそうですが?」と森元首相に聞いたところ、こう返答したという。 「事情聴取? それはなんだ? 何もないよ。(岸田首相から)電話がかかってきて『派閥のキックバック、戻しのことで知っていることはありますか? 関係していますか』と言うので、『私は関係ないよ』と答えたくらいだよ。 『そうですよね。検察の捜査も終わっているので、関係ありませんよね』と岸田首相が言って、あとはご機嫌うかがいのような話があって電話は終わった。ただそれだけだ」 森元首相は「電話は、(裏金問題の処分の行方を巡って)騒がしかった4月2日あたりにあったんじゃないか」とも語ったという。
「3分から5分だろう」
岸田首相による「事情聴取」については、自民党幹部もこう証言する。 「岸田首相は事前にメモを用意して森元首相に電話をかけたそうだ。書いていた質問は5か6ほどだったが、聞いたのは2つくらいの項目で、あとは体調を気遣ったり、『ご指導をお願いしたい』などと言うばかりだったという。時間にして3分か5分くらいだろう」 裏金問題については、その「頭目」とされてきた森元首相に対して、何のアクションも起こさないと、党内外からの批判が強まる。その「アリバイ」作りのために、首相みずから電話を一本入れたというのが真相のようだ。 安倍派のZ議員も、森元首相に処分のことで連絡をとった。森元首相は、X議員に対するのと同様の発言をした上で、さらにこう愚痴ったという。 「岸田首相は派閥をつぶして、さらに党から追い出すような処分とはな。何を言っても無理だ」 とても事情聴取と呼べる内容ではない「茶番だ」とX議員もZ議員も口をそろえる。いまも岸田首相がこびへつらう森元首相は、さながらキングメーカーの恰好だが、なぜここまで政界に君臨し続けられるのか。 2000年4月に総理の座についた森元首相は、「神の国発言」など失言を繰り返し、わずか1年で退陣を余儀なくされた。退陣時の内閣支持率は、調査によっては自民党政権では史上最低とされる10%を割り込むほど落ち込んだ。 首相在任中は「買春疑惑」も報じられたし、リクルート事件では未公開株を譲り受け、1億円の売却益を手にしたことで、中曾根康弘元首相とともに最も疑惑を集めた政治家の一人だった。東京オリンピック汚職では、業者から200万円を「お見舞い」として受け取っていたことも法廷でわかっている。まさに「政治とカネ」の疑惑の中心にいた人物なのだ。 それでも、森元首相は政界引退後も安倍派の「オーナー」として振る舞い、東京オリンピック・パラリンピックでは組織委員会の会長に就任。自民党の政局になると必ず、森元首相の名前が登場する。岸田首相も、政局が動くとお伺いを立てるような電話をかけざるを得ないのだ。