【M-1直前】双子漫才師・ダイタクに付きまとった“双子ネタという呪縛” 「最初は双子ネタはしていなかった。ハゲネタやデブネタをやる人たちもそうじゃないか」
「僕らの永遠の仮題でしょうね」
──確かに初めて見た人は自己紹介がなかったら、双子だよね……ってずっと気になってしまいそうです。 拓:そこは僕らの永遠の課題でしょうね。何が正解かわからない。ただ、僕らの知名度が上がれば、状況は変わってくると思うんですよ。中川家なんて、みんな兄弟だとわかっているんで、今さら、いかにもお兄ちゃん的なボケとかやらないじゃないですか。だから僕らも認知されたら、双子に関係のない普通のやりとりができるようになるかもしれませんね。 ── M-1決勝は、そういう意味でも大きなチャンスなわけですね。 拓:それこそ、本当の意味での自己紹介ですよね。世の中の人たちは、ほとんど僕らのことを知らないので。こんな双子がいるんだという最初のアピールの場になると思います。 ──ファイナリストの中で、気になるコンビはいますか? 大:今年はどの組もそれぞれの武器を持っていますよね。年によっては(2023年出場の)くらげとか(2022年出場の)ダイヤモンドとか、決勝の場にふさわしくないファイナリストもいましたけど(笑)。 拓:敗者復活戦で誰があがってくるのか気になりますよね。去年はシシガシラさんが勝ち上がってきて、大会を壊すような滑り方をしているので。去年の決勝は会場の空気がちょっと重かったじゃないですか。あれは敗者復活戦がおもしろ過ぎたのかもしれない。 大:でも、トップの令和ロマンはウケてたから。2番手のシシガシラが滑ったあたりから一気に重くなって、(3番手の)さや香もウケ切らなかった。なんだったんだろう。誰もあの答えはわかってない。たとえば今年は、トムブラウンさんがトップを引いて、次にしゃべりで聞かせるエバースが出てきたらどうなるんだろう。その逆の場合もありうるし。 拓:順番次第では神回になるし、順番次第ではとんでもない大会になるかも。笑神籤次第じゃないですか。
双子漫才師という「物語」
──賞レースはドラマ性のある組、物語を持っている組が強いと言われがちですが、そういう意味では、ラストイヤーで初出場、さらに双子漫才師という特徴は大きな要素になりえますよね。 拓:アナザーストリー(優勝後、王者を中心に制作される舞台裏のドキュメンタリー)は作りやすいと思いますよ。ABC(朝日放送)のスタッフさんに「ダイタクさんが優勝したら、素材は死ぬほどあるんで」って言われましたから。 大:ここ数年、2回戦、3回戦からずっと密着されているので、映像はたくさん残っているんじゃないですか。M-1関連のカメラマンさんもディレクターさんも、ほとんど顔見知りになりました。僕らの決勝進出が決まったときは、そういう人たちも泣いてくれましたね。 ──大さんは準決勝前日、酒を抜いて、それがよかったんですよね? 決勝前日もまた酒を控えるのですか。 大:酒を飲まないと、翌日、体調がいいことは間違いないんです。なので、やるかもしれませんけど、ゲンを担ぐみたいな意味でやることはないと思います。僕らはギャンブラーなので、ゲン担ぎが何の意味もないことは知ってるんで。何をしようと勝つときは勝つし、負けるときは負けるんです。 (了。前編から読む) ■取材・文/中村計(ノンフィクションライター) ■撮影/山口京和 ■単独ライブ「ダイタクの伝家の宝刀」を2025年2月20日(木)に東京・有楽町よみうりホールにて開催!前売券(4000円)はFANYチケットで12月22日(日)11:00から12月25日(水)11:00まで先行販売、12月30日(月)10:00に一般発売。
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