勇退意向だった栃木知事が6選なぜ?自民が後継立てず立憲も擁立せず
栃木県知事選が17日投開票され、福田富一氏(71)=自民県連・公明県本部推薦=が、現職知事では全国最多の6回目の当選を決めた。福田氏は勇退の意向を周囲に示していたが、支援してきた自民党が後継候補を擁立できず、立憲民主党も有力な対立候補を立てられないまま県政の継続が決まった。 【写真】街頭演説をする福田富一知事=2024年11月12日午後2時52分、栃木県那須町のJR黒田原駅前、山下龍一撮影 「6度目の知事選になる。いつまで知事をやっているんだ?と言う人もいる」 福田氏は告示日の10月31日、宇都宮市のシンボルである宇都宮二荒山神社で開いた出陣式で、こうぼやいた。自らに向けられた多選批判を念頭に置いた発言だった。 選挙戦で福田氏は県内25市町をくまなく訪ね、各地で街頭演説をこなした。人やモノが宇都宮市に一極集中する現状を憂える声に配慮し、過疎地を含む県内を丁寧に回ることで、福田県政継続への理解を求めた。 福田氏はもともと、高齢で多選であることを自覚し、今回の知事選には立候補せず勇退する意向を周囲に示していた。 6月21日の立候補表明の記者会見では、元高根沢町長で現国交副大臣の高橋克法参院議員(66)=自民=を後継候補の一人として考えていたと明かした。しかし、自民党県連や関係団体の意見集約ができなかったとされる。
朝日新聞社