世界的酷暑と無縁の“納涼レース” 北極線以北で繰り広げられる4日間の戦い、誰に「白夜の太陽」が注ぐか【Cycle*2024 アークティックレース・オブ・ノルウェー:プレビュー】
もちろん最後まで気を抜くことは許されない。ボーデへ帰還する最終・第4ステージは、登坂距離1.1km・平均勾配9.2%の2級山岳頂上のフィニッシュラインへ向かっての猛アタック。個人総合争いが僅差なら、ここが最終決戦の地となる。
今回は、5つのUCIワールドチームを含む全18チームがエントリー。主催者によれば出走ライダーの約半数が25歳未満の選手になると見込んでいて、ネクストブレイクが待たれる次世代ライダーの登竜門的コンペティションともなりそうだ。 そうしたなかで、並々ならぬ意欲を見せているのが地元の雄・ウノエックスモビリティだ。2年前の大会覇者アンドレアス・レックネスンを総合エースに、スプリントではアレクサンダー・クリストフ、パンチが求められるステージではマグナス・コルトの両ベテランがトップ獲りを狙う。
そんな彼らのライバルとなり得るのが、前回大会で個人総合2位を収めたクリスティアン・スカローニ(アスタナカザクスタン)、今季ステージレース3大会で個人総合優勝に輝いているジョセフ・ブラックモア(イスラエル・プレミアテック)あたり。ブラックモアはこの5月にトップチームに昇格したばかりの21歳で、4月にはU23版のリエージュ~バストーニュ~リエージュでも勝っている逸材だ。
また、イスラエル・プレミアテックからはクリストファー・フルームの参戦も決定。初めて乗り込む北極圏でのレースで、ブラックモアらチームメートを盛り立てる走りができるか。
アークティックレース・オブ・ノルウェーといえば、シャレの利いた各賞ジャージでも毎年盛り上がる。個人総合のミッドナイト・サン・ジャージは、その名の通り「白夜の太陽」。ヤングライダー賞はホワイトジャージ、ポイント賞はブルージャージ。そして、絶対的な人気を誇るのが山岳賞の「ピーコックジャージ」で、孔雀の羽をあしらったデザインだ。 また、最も献身的なアシストを見せた選手に贈られる「ヴァイキングジャージ」にも、表彰の場面では注目したい。北欧神話の民「ヴァイキング」のように屈強で、チームの勝利のために身を粉にして働いた選手が選ばれる。
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