冬の特産「今庄つるし柿」に個包装の新商品登場 収入アップと担い手不足解消を目指し生産者が開発【福井】
福井テレビ
南越前町今庄地区の冬の特産といえは「今庄つるし柿」ですが、担い手不足の解消を目指して生産者らが新商品の販売に乗り出しました。 戦国時代の発祥で約450年以上の歴史がある「今庄つるし柿」は、全国でも珍しい煙で燻す製法が特徴で、黒味がった干し柿は今庄地区の冬の特産物として親しまれています。 この「今庄つるし柿」が今回、新たなパッケージで販売されます。化粧箱入りの贈答用やカップ入りのお土産用など様々ありますが、今回こだわったのは一つ一つが個包装されている点です。 手がけたのは生産者らでつくる振興会で、JAとともに販売までを担います。振興会の赤星会長は「第一の目的は、農家の収入を上げること。パッケージングをすると長持ちするので、売値も高く設定できる」と話します。 これまで、今庄地区の干し柿はひもに吊るされた状態で市場に出荷されていたため日持ちせず、衛生面の問題からその後の販売に制限がかかっていました。さらに市場では競りで値付けされるため、価格が安定しないのもネックとなっていたということです。 個包装にして商品の販売までを担うことで、従来の市場に卸す時に比べて2割ほど収入が増える見込みです。赤星会長は「現在、振興会の会員は54人いるが、ほとんど高齢で跡継ぎがいない状況。このままではいずれ地元の特産物が無くなってしまうのではないかと危惧している。つるし柿をつくれば、もうかるということを知ってもらいたい」と力を込めます。 生産者自らが手がけた「今庄つるし柿」は、道の駅「南えちぜん山海里」で販売されます。また、12月1日には試食会も開催されます。
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