沢城みゆき&花澤香菜の貴重な掛け合いが作品にコミカルさを付与<ザ・ファブル>
テレビアニメ「ザ・ファブル」(毎週土曜深夜0:55-1:25、日本テレビ系/ディズニープラスで全話見放題独占配信)の第7話「現実主義・(※・は白抜きハート)」が5月18日に放送・配信され、沢城みゆきと花澤香菜による対照的な演技の掛け合いが作品にコミカルさを与える場面があった。(以下、ネタバレがあります) 【写真】ヒリヒリした空気に…明と小島の対峙シーン ■「ザ・ファブル」とは 同作は、岡田准一主演で実写映画化されて話題を博した南勝久による同名人気コミックをアニメ化したもので、殺しの英才教育を施された“殺しの天才”通称・ファブル(CV:興津和幸)が、ボス(CV:小村哲生)から「1年間誰も殺してはならない」という指令を受け、“佐藤明”として人殺しをしない暮らしを送る姿を描く。 第7話で明は、自宅の鍵を失くした同僚の岬(CV:花澤)を“妹役”の洋子(CV:沢城)の家に連れて行く。だが、洋子は泥酔しており、2人は出来上がっている洋子の相手をするはめに。じゃんけんをして勝ったほうが負けたほうの顔を変顔にするというゲームを行い、勝った洋子は岬の顔を遠慮なく崩して大笑い。子どものようにはしゃぐ洋子に対し、岬は対抗心を燃やしながらも大人な対応を見せる。 一方、出所後の小島(CV:津田健次郎)が真黒組の若手の意識の低さにいら立ちを募らせる中、若頭・海老原(CV:大塚明夫)が病床に伏す。海老原というストッパーがなくなった小島は、危険な行動をとり始める。 ■沢城と花澤の“新鮮な”掛け合い 冒頭で描かれた洋子と岬の邂逅シーンでは、沢城と花澤による対照的な演技が作品のコミカルさを際立たせ、視聴者の笑いを誘った。泥酔してはっちゃける沢城の演技に対し、花澤は冷静に大人な対応の演技で応じるという掛け合いは案外貴重で、ちょっとした緩いシーンながらも2人の演技力の高さが垣間見えた。 というのも、「ルパン三世」の峰不二子役などを担当する沢城はセクシーで余裕のある声質のため大人っぽいお姉様的な役が多く、どちらかというと花澤のほうが比較的かわいらしく若いキャラクターを演じることのほうが多い中で、このシーンは真逆のキャラでの掛け合いだからだ。 子どものようにはしゃぐ沢城演じる洋子の傍若無人の振る舞いに、困惑しながらも付き合う花澤演じる岬。シリアスなシーンや年相応の反応を見せるシーンではそれぞれの声質と演技はぴったりなのだが、泥酔中の初対面という特異な場面であるからこそ真逆のキャラでの邂逅となり、2人の演技力によって生み出されるコミカルなシーンとなった。 SNSでも、「洋子と岬の掛け合いが良かった」「花澤さんの甘露寺さんの声もいいけど岬ちゃんの声もいいな」といった声が上がり、ファンたちも興奮しきり。 また、暗躍し始める小島を演じる津田の真に迫った演技には「ツダケンさんの声、合いすぎてる」「ツダケン怖い…」「本気で怖いツダケンは珍しいかもしれない。行動もせりふも怖い」「津田さんボイスは緊迫感がすごいなあ」と恐れおののく声も。今回の「陽」の部分を担った沢城と花澤に対し、「陰」の部分をより色濃くして作品に深みを与えた。 ◆文=原田健