１０番、石川が放ったティーショットの方向をクラブを掲げて示す松山（左）（カメラ・岩田　大補）

◆男子プロゴルフツアー　ダンロップフェニックス　第１日（１４日、宮崎・フェニックスＣＣ＝７０４２ヤード、パー７１） 　２０１４年大会覇者の松山英樹（３２）＝ＬＥＸＵＳ＝は５バーディー、１ボギーの４アンダー６７をマークし、トップと２打差の８位で好スタートを切った。８年ぶりとなる日本ツアー９勝目をホスト大会で飾る。同組で回った前週の三井住友ＶＩＳＡ太平洋マスターズ優勝の石川遼（３３）＝カシオ＝は３バーディー、３ボギーの７１で４８位。佐藤大平（３１）＝クリヤマホールディングス＝が６アンダーで単独首位に立った。 　大観衆が見守ったスタートの１０番。左に飛んだ松山のドライバーショットは、幸運にも木に当たりほぼ真横のフェアウェーへ戻った。２４８ヤード残った第２打を５番ウッドでピン右奥３メートルへ運び、ピンチ一転バーディー発進。「出だしビックリしたけど、ミスをしたのがフェアウェーに出てきてくれたのが今日の一日を占っていたのかな」。今季初の日本ツアーで上々のスタートを切り、笑みが漏れた。 　１６番は第２打を１メートル弱につけ、１８番パー５は２オンに成功しバーディー。８番ではピン左手前３ヤードからウェッジで放り込み、連続バーディーを奪うなど、小技も光った。「たくさんのギャラリーがついてくれてうれ　　しかった。最初の何ホールかはドタバタしていたけど、それなりにいいプレーができた」と及第点を与えた。 　２年連続の出場で、主催の住友ゴム工業の契約選手の松山はホストプロとして大会に臨んでいる。体調不良による調整不足で４６位だった前戦のＺＯＺＯチャンピオンシップから黒宮幹仁コーチと連日スイングの改善に励み、今大会へ仕上げてきた。ドライバーは他のモデルと合わせて十数本を試しながら、従来の「ＺＸ５　Ｍｋ２　ＬＳ」を初日に投入。「後半はティーショットに関しては少し、ましになったのでよかった」と振り返った。 　予選２日間は石川と、１６歳のアマチュア・松山茉生（まお、福井工大福井高１年）と同組。ツアーで６年ぶりのラウンドとなった同学年の石川と談笑する場面も多く見られた。「練習では回っているので６年ぶりという感じはしない。先週のことや、他の選手のことを話した」といい、茉生については「振り感がいい。ポテンシャルがすごい」と印象を語った。 　１０位だった昨年は、単独首位で迎えた第２ラウンドでスコアを落とし後退した。ホールアウト後は１時間近く球を打ち、調整を続けた。２日目へ「１番ホールで左に曲げないように気をつけます」とユーモアを交えつつ、目に力を宿した。ホストプロとして最終日まで主役を張り、１０年ぶりの大会制覇を刻む。（高木　恵）