史上3人目の4日間ボギーなしなら“賞金100万円”? でも鈴木愛が欲しいのは優勝のみ「ボギーを打ってもバーディが取れれば」
<大王製紙エリエールレディス 3日目◇16日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6575ヤード・パー71> 政田夢乃と三ヶ島かなが楽しそうに“ヒソヒソ話”【写真】 6バーディでボギーなしの「65」にマイナス要素はない。トータル15アンダー。「まあまあって感じです」。ほどよい塩梅(あんばい)の自己評価が、鈴木愛の満足度の高さを表していた。 前半のアウトで3つ伸ばすと、後半もパー5の11番で残り35ヤードの3打目をピンそば1メートル、同じくパー5の17番は残り70ヤードを1.5メートルにつけるなど3バーディ。初日から首位を走る山下美夢有とは3打差から5打差に開いたが、「ショット、パットともに先週に比べたら良くなっている。特にパットがすごく良くなった」と自他ともに認めるパットの名手は最終日の逆転Vをイメージする。 初日から1つのボギーも打っていない。前週の「伊藤園レディス」最終日の途中から、これで63ホール連続ボギーなし。実はこの大会、昨年から「ボギーフリー賞」を設け、大会期間中にボギーがなかった選手には賞金100万円が贈られる。3日目が中止となった昨年は達成者はおらず、今年も3日目終了時点で対象者は鈴木だけ。「知らなかったけど、別に関係ないかな。そこを取りにいくぐらいなら優勝したい」と関心はなさそうだったが、ボギーを叩かなければ、それだけ優勝に近づくことは間違いない。 4日間大会のボギーなしは、2022年「楽天スーパーレディース」の勝みなみと、今年7月の「大東建託・いい部屋ネットレディス」の山下の2人だけ。鈴木は昨年8月に3日間大会の「北海道meijiカップ」でツアー史上16人目のボギーなしVを達成しているが、「ボギーを打っても、バーディを取ればいい」と頓着はなし。それでも、4日間大会で記録すれば史上3人目だと知ると、「へぇ~。そうなんですか」とちょっぴり表情が変わった。 8月下旬に「ゴルフ5レディス」を体調不良で途中棄権し、復帰まで約1カ月半を要した。さらに2週前の日米ツアー共催「TOTOジャパンクラシック」は第3ラウンド前に首痛で途中棄権。今週は病院で火曜日にレントゲン検査を受け、水曜日と前日に低周波、超音波の治療を受けて臨んでいる。「検査で異常はなかったし、今は大丈夫。ホテルの枕が高いので、翌日に切るウェアを畳んで低い枕にして寝ています」。 まだ体調に不安は残るが、ゴルフに関しては『枕を高くして眠れる』までに復調してきた。この大会は2位が6度、3位が1度と相性の良さは群を抜いているが、まだ優勝はない。「明日も伸ばし合い。ショットをつけていかないとナーバスになるので、ピンの近くにつけて、少しでもバーディトライを増やしたい」。目指すは今季3勝目。「得意だけど、勝てない」のジンクスをボギーフリー&バーディ量産で打破する。(文・臼杵孝志)