どうなる戦国ダービー? 1番人気は皐月賞回避のダノンプレミアムだが
レースレコードを更新して3馬身半差で圧勝したG1朝日杯フューチュリティS、年明け初戦の弥生賞を快勝するなど過去4戦の内容はパーフェクト。今回は初距離だけに死角なしとまでは言い切れないが、精神的に舞い上がって暴走→自滅しない限り、馬群に沈むシーンは考えられない。 専門家も後押しする。日本ダービーにのべ21頭を送り出し、14年のワンアンドオンリーで悲願の優勝を成し遂げる一方で、2着4回3着1回とだれよりもダービーを勝つ難しさを知り尽くしていると言っても過言ではない”ミスターダービー”橋口弘次郎元調教師もダノンプレミアムの能力に太鼓判を押す。 「あの馬は何と言ってもレース内容、勝ちっぷりがすばらしいですよ。ザ石はかえって良かったと私はみています。いい休養になったんじゃないでしょうか。マイナスにはなっていない」と分析。 「あとは運。運は自分で運んでこなきゃいけない。問題はそこ」と続けた。 白井壽昭元調教師の助言も心強かった。 98年、スペシャルウィークでダービートレーナーになっている白井さんは、今年のダービーを勝つために必要な条件のひとつに枠順を挙げ「内枠がいい。外めだと13番までかな。ダノンプレミアムは内でためていければ」と占っていたが、先行押し切りの脚質を照らし合わせると絶好とも言える1枠1番。流れは来ている。2005年のディープインパクト以来11頭目となる無敗の戴冠の可能性は十分ある。 私が個人的に注目しているのは、8枠17番のワグネリアン。単勝オッズは5番人気の13.6倍。皐月賞では1番人気を背負いながら7着に敗れたが、主戦の福永祐一騎手からはことあるごとに「東京コースがいい」と聞いていた。それはダービーでこそ、を意味する。 初挑戦のキングヘイローで若さを露呈したのが98年。以来19度目の挑戦となる今回、サービス精神旺盛な男がテレビの特番などを断ったのも5・27のダービーに集中したいがため。ダービージョッキーの称号を手に入れてほしいものだ。陣営も皐月賞前から一転してハードな追い切り。後のない仕上げを施してきた。スタートゲートは8枠17番となったが、追い込み脚質のこの馬にとっては悲観する必要はないのではないか。スローになる可能性は低く、タメてズドン。ユーイチも腹をくくって乗れるはずだ。 エポカドーロの2冠、タイムフライヤーを送り込む松田国英調教師にはダービー3勝目の記録もかかる平成最後の日本ダービー。”芦毛のダービー馬”ウィナーズサークルも観た。アイネスフウジンの”中野コール”も聞いた。アドマイヤベガで叫び、ウオッカにはしびれた。今年はどんなドラマが待っているのか。 ※オッズはJRAが25日最終オッズのもの (文責・山本智行/スポーツライター)