海外メディアも大坂なおみの15歳敗者を共同インタビューに誘う異例気遣いを絶賛「純粋で素晴らしい瞬間」
テニスの全米オープン、女子シングルス3回戦が8月31日(日本時間1日)、米国ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで行われ、連覇を狙う大坂なおみ(21、日清食品)が、全米で話題の15歳のホープ、コリ・ガウフ(米国)と対戦、6―3、6―0のストレートで圧勝した。試合後、コート上では勝者だけが恒例インタビューを受けるが、大坂は号泣するガウフに「一緒にインタビューをしましょう」と呼び掛け、15歳の少女は一度は断ったが、大坂の優しさにほだされ2人で異例のインタビューを受けた。 ガウフが「学ぶことがたくさんあった。この機会を本当にありがとう」と涙ながらに語ると、大坂も目に涙をためて、少女を抱きしめて場内は大きな拍手に包まれた。海外メディアも、この大坂の異例の行動に注目、その前大会王者らしい気遣いを絶賛した。 ニューヨーク・デイリー・ニューズ紙は「大坂がガウフを全米オープンから消し去る。そして、彼女を慰める」との見出しを取り、大坂が勝利後、インタビューにガウフを誘った異例の場面について伝えた。 記事は、「敗れたガウフは、当然ながら試合後に取り乱していたが、大坂は彼女にコートに残りインタビューを一緒に受けるように話した。大坂は、ガウフに『シャワーに向かって泣いているよりも観衆に気持ちを伝えるように』と諭した」と紹介。 「それは10代の天才と前年の全米オープンのチャンピオンによる純粋で素晴らしい瞬間だった。今ではメディアを手なづけている大坂からインタビューを受けるように提言されガウフは賢く受け止めた」と、15歳のホープへの優しい気遣いを絶賛した。
「テニスでほとんど見ないシーン」
CNNも「前年チャンピオンの大坂がガウフの全米オープンの進撃を止め、試合後にガウフを慰めた」との見出しを取り、「ガウフの今大会での進撃は、魔法がかかったようだったウィンブルドンのようにはいかず、大坂の全米オープンタイトル防衛の旅は続いている」と伝えた。 そして、「試合後には、テニスでは、ほとんど見ないシーンが見られた。大坂はガウフを抱きしめ、10代選手(のガウフ)にアーサー・アッシュ・スタジアムでの試合後のインタビューを一緒にしないかと尋ねた」と、大坂が取った行動をクローズアップした。 「大坂が質問を受ける前に、彼女は(インタビューを終えた)ガウフに近寄って、もう一度抱きしめ、観衆からは大きな歓声が起きた」と、その異例の呼びかけが、会場の観衆を感動させたことを伝えた。 英国のBBCも、大坂がガウフを破りベスト16進出を決めた記事の中で、「世界1位で21歳の大坂は、6-3、6-0で勝ち、感傷的になっていた地元一番人気の米国選手(のガウフ)を慰める心温まるシーンがあった」と、試合後のシーンについて取り上げた。 記事は、一方的となった試合に大坂が勝利した後の場面について、「彼女はガウフを慰めようと、フロリダの10代選手(のガウフ)に敬意を示し、素晴らしい選手を育ててくれた家族に謝意を表した際に、ともに感傷的になった」と触れた。 そして、「両選手は、コートを去る際に大きな歓声と喝采をまた一度受けた。2人は、今後、何年も、このテニス界最大のタイトルを競うことになるだろう。だから、(この感動シーンは)おそらく最後とはならないだろう」とも伝えた。 またBBCは、試合内容についても解説。テニス記者のラッセル・フラー氏は、「大坂はこの日、もしかしたら全豪オープン以来、最高のプレーを見せたかもしれない。彼女はボールを猛然と激しく叩き、心理的影響を強烈に与え、15歳(のガウフ)を圧倒した」と、大坂のプレーを絶賛していた。 大坂は4回戦で、アネット・コンタベイト(エストニア)が風邪で欠場したため、棄権勝ちで駒を進めた第13シードのベリンダ・ベンチッチ(スイス)と対戦する。