【池上解説】コーヒーが高いのは中国のせいだった!?身近な「不足」の意外な理由とは
米不足はようやく落ち着いてきましたが、他に今色々なものが不足していること、ご存知でしょうか。私たちの身の回りで不足しているもの、その背景には意外な理由がありました。 わかりやすく解説してまいります。 【画像】コーヒーが高いのは中国のせいだった!?身近な「不足」の意外な理由とは
■チョコが今不足!意外な理由とは
今チョコレートの原料となるカカオが不足して、チョコレートが値上がりしてきています。 大手メーカーの中にはカカオをあまり使わないチョコレートを開発しているところもあるくらいです。カカオ不足の原因は昨今の異常気象ももちろんありますが、意外な理由があったんです。 一体なんでしょうか。 日本が輸入しているカカオのおよそ8割はアフリカのガーナで作られています。 そこで今起きているのが、金の違法採掘です。なんだかチョコレートとは全く関係のない話に聞こえますよね。ガーナはカカオで有名ですが、実は金の産出国でもあります。 最近世界的に金の値段はどんどん上がっています。そんな中「ここに金が埋まっているかも!」とカカオ畑を勝手に掘り返して金を採掘するという悪質な犯罪が激増しているんです。 重機を使って大規模に掘り返すため跡地には水がたまるなど、とても簡単にはカカオ畑に戻すことはできません。こうして今カカオ畑がどんどん減ってしまっているんです。結果チョコレートの値上がりにつながっているわけですね。
■コーヒー不足の理由は中国!?
チョコだけではありません。最近コーヒーの値段も値上がりしています。もちろん異常気象や円安の影響もありますが、意外な理由もあるんです。 実は今中国である果物がブームになっているんです。それはドリアン。世界一臭い!?と日本では知られていますが、今中国では大ブームになっていて、焼肉に巻いて食べたり、ピザにしたり、と市場には専用の建物まであるほどの人気なんです。 そんな中国のブームを受けて、お隣の国、ベトナムではドリアンの栽培が大ブーム。 中国の人が高く買ってくれるわけですから、どんどん作りますよね。でも実はベトナムは世界第2位のコーヒー豆生産国。コーヒー農家が次々と畑をドリアン畑に変えてしまったんです。結果世界的にもコーヒーの生産量は減り、値段が上がってしまった、というわけです。 日本ではそれほどたくさんのドリアンを食べません。なのでコーヒーが減って高くなる、というデメリットだけ受けてしまった、というわけですね。