【池上解説】コーヒーが高いのは中国のせいだった!?身近な「不足」の意外な理由とは
■自衛官も足りてない!?
今自衛隊の最大の敵は人手不足、なんて言われ方をしているのをご存知でしょうか。 日本の周りでは軍事力を伸ばそうとしている国がいくつもありますし、災害時など自衛隊の存在は欠かせないものとなっています。そんな自衛隊員が今足りていないんです。 自衛隊の人数を見てみると、定員に対し今2万人以上も足りていません。 もともと慢性的な人出不足ではありましたが、最近特に深刻になってきているんです。 例えば2023年度は募集計画およそ2万人のところ、実際に採用できたのはその半分以下。 過去最低の割合なんです。 自衛隊はもともと民間企業があまり人を採らない不景気の時は多くの人が集まり、民間企業がたくさん採用する好景気の時は人が集まらない、と景気に左右されるところはありました。 そこで景気に左右されず何とか人を集めようと自衛官の給料は民間の平均よりもちょっと高めに設定されています。 しかし最近は景気の動向以上にセクハラなどの不祥事だったり各地の戦争などの影響で人気が下がってきています。そこで今自衛隊ではこんな対策を始めています。 まずは勤務環境の改善です。例えば入隊時の丸刈りルールを廃止したり、女性もショートヘアではなく、髪をまとめればOKとなりました。また自衛隊員が暮らす隊舎を個室にしたり、海の上でも自分のスマホでLINEなどの通信ができるようにしたり、といろいろ対策をしています。 その他なるべく少ない人数でも作業できるようAIを活用したり、定年を引き上げたりしています。 こうしてなるべく多くの人に自衛隊に入ってもらいたい、あこがれの職業としてもらいたい、と考えているわけですね。 ちなみに海外でも同じような悩みを抱えている国はたくさんあります。 例えばラトビアでは今年から徴兵制を再開したり、クロアチアやドイツも再開を検討しています。 デンマークでは2026年から女性も徴兵対象となることが決まっています。ロシアが近いこうした国々では今徴兵制という動きがあるんですね。 日本にとっては災害の現場などで今自衛隊は欠かせない存在となっています。とりあえず人数がこのまま減っていくという状況は何とかしなければならない、まさに今そんな大切な時期というわけですね。 (池上彰のニュースそうだったのか!!10月12日OAより)
テレビ朝日