よりよい学校にするため、校則を変えるルールメイキング中高生が語りあったことは?
髪型や服装、携帯電話の扱いなど学校の校則を生徒自らの発案で変えていこうというイベントが東京都内で24日に行われ、中高生が思いや経験を語り合いました。
こどもの支援などを行う認定NPO法人カタリバが主催し、経済産業省の後援で行われた「ルールメイキング・サミット」には、全国25の都道府県、44の学校から約100人の中・高生が集まりました。校則には、髪型のツーブロック禁止や前髪の長さ、下着の色を限定する、制服のスカートの長さ、携帯を持ってきてはいけないといったものがあり、生徒がアンケート結果などを元に教員と話し合って、校則を変える動きが出始めています。
■先生が「私たちの時代はこうだった」「提出しても反応なし」
まず、グループに分かれて、参加者全員が校則を変える活動や思いを発表しました。 「校則改正を提案するとなったら、先生方から『私たちの時代はこうだったけど』みたいに反発があって、対話じゃなくて対立になった」「校則をこう変えたいと先生に提出しても、反応がない。話し合う場さえない」「冬にタイツを履きたいと言ったが、先生からは『制服のデザイナーがダメと言っている』と言われた。デザイナー1人の意見と1000人以上の生徒の健康とどちらが大事なのかと思った」「生徒会役員に男女の区分があり、女子である自分は票を得たのに会長になれず、その後改正案を考えたが、一番納得する案は学校に認めてもらえなかった」「伝統校で、校則が厳しくても生徒が集まるので変える必要はない、先生は困っていないと言われた」など、生徒が声をあげても校則を変えるのが難しい実情が次々に語られました。また、校則は変わるはずがないとあきらめる生徒が多い、校則を変えるための校内組織がある場合も、担当の生徒だけに任され、無関心が広がっているといった悩みも多く聞かれました。 一方で、実際に校則を変えた経験も語られました。ある中学校では、生徒の発案で教員の理解も得て、校則を撤廃。その後、生徒会による「心得」が作られ、学校についての意見は「具申書」として生徒の誰もが提出でき、職員会議で話し合われる。具申書によって自動販売機設置や他県での研修などが実現し、校則がなくなったことで、生徒の意識も高まり、地域からの評判も良くなった。髪型はツーブロックも可能。生徒の髪型が「心得」の範囲内かどうかは風紀委員の生徒が判断し、生徒たちの間でも「自分たちで決めたルールだから」と守る姿勢が見られるということです。生徒の意見を学校生活に反映する仕組みが作られている実例に、参加者からは感嘆の声があがりました。 また、活動の後継者がいないと悩む生徒の一方で、自分の代ではできなかったが、後輩が引き継いで、携帯電話の中学校への持ち込みが実現した、と嬉しそうに話す生徒もいました。さらに、ある中学生が「校内でのタブレット使用が許可されたが、授業中にそれで動画を見たり、絵を描いている生徒もいて、それは違うなと思う。自由ばかりを求めるのではなく、一定のルールを守ってこその自由ではないか」と発言するなど、生徒が決めることには責任が伴う、といった意見も聞かれました。また「消極的な性格だったが、校則を変える活動の中で、自ら考え、意見が言えるようになった」と自分の変化を語る高校生もいました。 そして、ある高校生が「僕は、校則でもなんか違うと感じていて、なんか違うを探し続けている。明確な言葉にできなくても、今日、ここは対話の場だから話せた。『なんか違う』を聞いてくれる人の存在が大切なんじゃないか」と話すと、共感が参加者に広がっていました。