福島県内経済発展へ年頭所感、地銀と主要商工会議所トップ
多くの企業で仕事始めとなった6日、福島県内3地銀と主要4商工会議所のトップは年頭所感で、県内経済の発展に向けた決意や抱負などを語った。
「経済成長へ節目の1年」
東邦銀行の佐藤稔頭取は「30年間のデフレから脱却し、経済成長のステージに移行できるか節目の1年になる」と強調。「昨年見え始めた賃金上昇や設備投資増加の動きが持続、定着するために金融機関が果たす役割は大きい。覚悟を持って地域やお客さまに向き合ってほしい」と述べた。 福島銀行の加藤容啓社長は、昨年導入した「次世代バンキングシステム」や次世代モデル店舗の開店に触れ「脱皮し生まれ変わった福島銀行を世間に認知いただく。よりよいサービスを提供し、地域とお客さまに貢献するために一丸となって取り組んでもらいたい」と呼びかけた。 大東銀行の鈴木孝雄会長・社長は「物価高、人手不足で県内の経済状況は足踏みの状況にある。今まで以上にお客さまに寄り添い、きめ細かな対応を徹底していく」とし「今年が最終年度を迎える第6次中期経営計画の目標達成と、経営理念の『共創力と提案力で地域の豊かな未来の実現』に向け役職員一丸となって全力を尽くそう」と呼びかけた。
「ネットワーク広げて二歩前進」
福島商工会議所の渡辺博美会頭は「今年は昭和100年、戦後80年の節目の年。取り巻く環境は厳しいが、努力や成長で互いにサポートし、力を合わせて乗り切っていきたい」と決意を示した。その上で課題解決や地域発展のために「県内、東北にもネットワークを広げることが不可欠。一歩ではなく二歩前に進む気持ちで取り組んでいきたい」と語った。 郡山商工会議所の滝田康雄会頭は「郡山商工会議所は今年で創立100周年を迎える。先人の功績に思いをはせ、商議所の役割を見つめ直したい」と述べた上で「地域経済と会員企業の発展に向けて取り組みを進めていく」と抱負を語った。 いわき商工会議所の小野栄重会頭は「昨年は物価高などで会員企業は苦しんだ。今年は『未来へ向かってたゆまぬ変革と挑戦』をテーマに、既成概念を取っ払って踏み出していきたい」と意欲を示した。その上で「時代の変化に挑む企業、変革の波に乗れない企業の両方を救うのが商議所の役割だ」と語った。 会津若松商工会議所の渋川恵男会頭は新型コロナウイルス禍の影響が続いてきたことに触れ「5年のマイナスを取り戻す覚悟で臨みたい。巳(み)年の今年、蛇が脱皮して大きく変化するように現状打破に取り組んでいく」と話した。
福島民友新聞