豊洲市場開場まで半年 追加対策工事は順調も残る課題
交通アクセスや集客に不安も
開場に向けた準備は進むが、新市場にはいくつかの課題や不安が残る。 築地市場で働く女性らの団体「築地女将さん会」が水産仲卸業者を対象に行ったアンケート調査(配布600枚=有効回答数261、複数回答可)では、未解決の問題として「交通アクセス」を挙げる声がもっとも多く81.2%で、「客が来てくれるか不安」(74.3%)、「駐車場不足」(67.0%)など、集客に関する不安が目立った。「土壌汚染が心配」の声も75%と依然多く、同会は今月11日、小池知事に開場延期や移転中止を文書で要請した。 豊洲市場の使い勝手に関する声もある。築地市場でマグロ専門仲卸を営む「樋長(ひちょう)」の飯田統一郎社長(49)は「豊洲に移転すれば衛生面の安心・安全は担保しやすくなるが、店舗は重さ200~300キロはあるマグロを扱うには狭く感じる」と店舗の大きさを懸念する。 小池知事は13日の定例会見で、あと半年を切った豊洲市場の開場に向けて「事業者が希望を持って事業に取り組める環境を整えることも重要。豊洲での事業が早期に軌道に乗るよう、しっかり取り組む必要がある」と述べた。 (取材・文:具志堅浩二)