クリーンラーチの森造成へ 釧路市と総合振興局が協定
北海道釧路総合振興局と釧路市は19日、「クリーンラーチの森」造成事業に関する協定に調印した。道が開発した、温室効果ガス削減効果が高い品種のクリーンラーチを、市有林に毎年5㌶ずつ、10年間でおおむね50㌶を植栽するというもの。同品種を集団的に植栽する取り組みは全国初。 クリーンラーチは、グイマツとカラマツを交配させた品種で、成長が早く炭素固定能力が高く、ネズミの食害にも強い。そのうえ強度が高く、幹が真っすぐなことから木材としての利用価値も高い。しかし、まだ種が十分に採れないため、現在は挿し木で苗木を殖やしており、供給量が限られる。 苗木は谷口種苗農園(標茶町)など、道内の民間事業者が生産し道が管理しているが、今回の協定では道が市に対し、苗木を毎年1万本ずつ供給する。 植栽場所は標茶町の塘路湖近くにある市有林。約50㌶が収穫期を迎え皆伐を行う計画となっているが、伐採跡に植栽する品種として、釧路湿原など自然景観に配慮して早期整備ができることや、ネズミの食害に強いクリーンラーチを同局が提案した。 木村英也局長は「ゼロカーボン北海道の目標達成と釧路管内の自然環境に配慮した森林づくりに貢献できる」と述べ、蝦名大也市長は「阿寒町、音別町との合併で市の森林面積は74%となったが、さらに豊かな自然環境の価値を高めていきたい」と話した。
釧路新聞