【スプリンターズS】逃げ候補2頭は競り合わない 本命はビクターザウィナー、対抗はピューロマジック
本命馬はビクターザウィナー、対抗はピューロマジック
【ビクターザウィナー】 今春の高松宮記念は逃げながらも最後の直線で伸びない外を選択する形で3着に敗れた。しかも、この高松宮記念はセンテナリースプリントCを大目標とし、結果を出した後の一戦である。 前々走のチェアマンズSPでも抜群のスタートを決めてハナを主張したが、前半は外からハウディープイズユアラブに競られて息を入れられず、3角手前で今度はマッドクールが迫ってきたので抵抗し、ペースを引き上げて苦しくなった。完全なオーバーペースだったが、マッドクールには先着している。 前走のシャティンヴァーズでは6着敗退。ここではシーズンオフを前に一度使っておきたかったのか、斤量61kgの酷量を背負っての出走だった。ややスローペースで逃げながらも最後の直線で伸びあぐねた辺り、本調子ではなかったと考えられるが、それでも残り300mまで先頭に立っており、見せ場はあった。 今回は立て直されての一戦。現状、香港馬と日本馬のトップクラスの対決では香港馬が優勢の勢力図がうかがえるだけに、ここは本命候補としたい。 斤量61kgを背負っても抜群のスタートを決めるほど一完歩目が速いが、昨年の香港スプリントでは外のジャスパークローネを行かせて2番手の外から小差の4着に善戦しているように、控えてもやれる馬。大方の予想に反し、ピューロマジックとそこまで競り合いにならないパターンもあり得るとみている。 【ピューロマジック】 3歳馬ながら北九州記念を優勝。同レースでは12番枠からまずまずのスタートだったが、スピードの違いで内に切れ込み、同型馬を制すると、そのままペースを緩めずに3角へ。3~4角でも最内を通って2馬身差を維持。直線序盤でヨシノイースターに1馬身3/4差まで詰められた。ラスト1Fでは同馬にさらに詰め寄られたが、しぶとく踏ん張り、半馬身差で振り切った。 北九州記念当日は時計の掛かる稍重馬場かつ強風で、ハイペースで逃げ切るのは楽ではなかった。それでも、前後半3F32秒3-35秒6の相当なハイペースで逃げ切り勝ち。斤量53kgと恵まれた面はあったが、初速の速さにものを言わせての横綱競馬で新星誕生を予感させた。 前走のセントウルSは休養明けで好走した疲れで13着敗退。それほど速くないペースので逃げだったが、前々走では消耗戦に持ち込んでの優勝だったことから、大敗しても当然だった。今回は前走で凡走したことで疲れが取れて、変わり身が見込める。 今回はビクターザウィナーとの競り合いが予想されるが、ピューロマジックは初速が非常に速い上に、ビクターザウィナーよりも内枠を引いたので、本馬が逃げて、ビクターザウィナーがその外2番手という形で隊列が落ち着く可能性が高いとみている。ここは対抗評価だ。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)トウシンマカオの前走指数「-23」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.3秒速い ●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート ●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ