【卓球】松島輝空、木原美悠が中国超級リーグで奮闘。松島は単8勝を挙げる大活躍
日本選手が久々の超級リーグ出場。松島はシングルス8勝2敗
12月12~16日、中国・湖南省の中南大学体育館で、中国卓球クラブ超級(スーパー)リーグの男女第1ステージが行われた。 かつては10月に開幕し、男女各10チームが3カ月に渡ってホーム&アウェーで全18試合を戦い、プレーオフで優勝チームを決めていた卓球超級リーグ。しかし、2020年シーズンがコロナ禍のために中止となってから、チーム数・日程ともに大幅に縮小。今季はセントラル方式の第1ステージに男子9チーム・女子6チームが出場した。往年の超級リーグファンにとっては寂しい現状だが、やはりレベルは世界の最高峰だ。 日本選手の登録は2016年シーズンの平野美宇(鄂尔多斯1980)が最後となっていたが、今季は久々に男子3名・女子1名が登録。男子は2024年世界卓球団体代表の松島輝空(木下グループ/江蘇中超電纜・迎福台)、2023年インターハイ男子シングルス優勝の三木隼(愛知工業大/深セン宝安明金海)、2024年全中男子シングルス準優勝の永峰佳麒(野田学園中/江蘇中超電纜・迎福台)、女子は2023年全日本女子シングルス準優勝の木原美悠(木下グループ/黄石基地・華新)が出場した。 この中で大活躍を見せたのは、松島輝空と木原美悠。松島はシングルス初戦でいきなり世界ランキング1位の王楚欽と対戦し、1ゲーム目は0-8でスタートダッシュを許し、1-11で落とす展開。変化サービスからの強烈な3球目攻撃と両ハンドのカウンターを浴び、0-3のストレートで敗れて超級リーグの洗礼を受けた。 しかし、これで落ち込まないのが松島の大物たる所以(ゆえん)。続く汕頭明潤戦では、長く世界卓球代表として活躍する林高遠をストレートで破る快挙。快速ロングサービスと強烈なチキータ、フォアハンドでストレートへ放つ一撃のカウンターが中国選手を圧倒する。Tリーグで活躍したカット型の侯英超、19年世界卓球3位の安宰賢(韓国)など、経験豊富な猛者たちにも競り勝ち、シングルス8勝2敗の好成績を残した。 かつて日本男子からは松下浩二や水谷隼、吉田(小西)海偉らが参戦した超級リーグだが、初参戦でこれだけの成績を残したのは松島が初めてだろう。「最強軍団」と言われる中国でも、松島と同じ17歳でこれだけの成績が残せるジュニアの若手はいない。オリンピックの直前になると、ライバルとなる海外選手の登録を認めないケースが多い超級リーグ。あまり成績が良すぎると「来季から出られなくなるのでは?」と心配になるほどだ。 一方で、初戦で対戦した王楚欽や、パリ五輪男子金メダリストの樊振東は松島を相手に全力でプレー。中国の危険なライバルとなる松島に対し、全力で「マウントを取りに来た」という感じがした。「最強軍団」が松島をそれだけ警戒しているということだろう。樊振東には完敗を喫した松島にとっても、貴重な教訓を得た試合となった。 女子では木原美悠が4勝3敗と健闘。いきなりWTT女子ファイナルズ準優勝の陳幸同、全中国チャンピオンの劉煒珊らと当たり、3連敗の厳しいスタートとなったが、4戦目の上海華東理工戦で世界ランキング3位の王芸迪に3-1で勝利。この上海華東理工戦、続く成都高新若水居戦でともにシングルス2勝を挙げるエースの活躍で、チームをプレーオフ圏内の4位へと導いた。超級リーグプレーオフは12月30日~2025年1月1日に上海体育館で開催。日本選手でプレーオフ出場の快挙を成し遂げた木原の活躍が期待される。