日本経済総予測2025 NTTドコモの「銀行参入」で競争激化へ メガバンクも個人金融再編 高橋克英
他の大手スマホ会社やメガバンクも急ピッチで、デジタルリテール金融の再編・拡大に動いている。三菱UFJFG傘下の三菱UFJ銀行は24年11月、ロボアドバイザー最大手のウェルスナビをTOB(株式公開買い付け)により完全子会社化すると発表した。また、三菱UFJとKDDIが共同出資してきたネット証券とネット銀行でも資本関係を整理・解消した。 ◇楽天とみずほも連携強化 ネット証券のauカブコム証券を25年1月末に三菱UFJ銀行の完全子会社とし、名称を「三菱UFJeスマート証券」に変更する一方、auじぶん銀行はKDDIの完全子会社となる。今後はそれぞれが自前のネット銀行やネット証券を設立したり、買収・提携の動きも出てくることになろう。 SBIグループと包括資本業務提携を結ぶ三井住友FGは、個人向け金融サービス「Olive」が好調であり、24年7月にはOliveを展開する三井住友カードが、家計簿・資産管理アプリの「マネーフォワード」と合弁会社の設立を含む資本業務提携を締結している。 楽天グループとみずほFGも連携を強化している。23年11月には、みずほ証券が楽天証券に49%出資するなど戦略的な資本業務提携を締結。24年4月には、資産運用コンサルティングの共同出資会社「MiRaIウェルス・パートナーズ」が営業開始している。12月にはみずほFGが楽天カードに14.99%を出資しており、クレジットカードビジネスの連携策も進めている。 25年も各陣営の次の一手から目が離せそうにない。 (高橋克英〈たかはし・かつひで〉マリブジャパン代表)