茨城県古河市議会による出席停止処分で精神的苦痛を受けたとして、市議2人が同市を相手取り慰謝料など計220万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、水戸地裁下妻支部であり、渡辺力裁判長は訴えの一部を認め、市に対し2人へ計77万円を支払うよう命じた。 訴えたのは増田悟氏(77)=無所属=と秋庭繁氏(76)=共産=の2人。 判決などによると、増田氏は2020年6月、定例会一般質問で取り消した発言内容をチラシに掲載・配布したとして、本会議4日間の出席停止処分を受けた。秋庭氏は22年3月、本会議の討論で内容とかけ離れた発言をやめず議会の品位をおとしめたとして、同5日間の出席停止処分を受けた。 判決理由で渡辺裁判長は「議会の裁量権を著しく逸脱した、または濫用したものというべき」と指摘。市に対し、増田氏に55万円、秋庭氏には22万円の支払いを命じた。 2人は判決後の会見で、「判決を真摯(しんし)に受け止め、民主的で公正な議会運営に努めてほしい」と訴えた。 針谷力市長は「代理人と協議し対応を決定する」などのコメントを発表した。