1年の無病息災願い、大梵天争奪戦 境内熱気に包まれ 福島・岩角寺
300年以上の歴史を持つ正月の伝統行事「岩角山(いわつのさん)の大梵天(ぼんてん)祭」が3日、福島県本宮市和田の岩角寺であった。梵天は、竹の先端に細く切った白や金色の和紙を吊り下げたもので、この和紙を持っていると家内安全や縁結びなどの御利益があるとされる。クライマックスの大梵天争奪戦には大勢の人が集まり、境内は熱気に包まれた。 争奪戦で使われる大梵天は長さ2・4メートルある。この日は1年の無病息災などを祈り、経と護摩の煙で清められた大梵天14本が奉納された。大梵天が本殿から境内に運び込まれると、集まった参拝者らは歓声を上げながら勢いよく飛びつき、最後は竹も引き裂かれて取り合いになるなど盛り上がった。 何度も参加しているという郡山市の三浦優子さん(55)は、「家族の無病息災を願って来たので取れてよかった。平穏な1年にしたい」と話した。【松本ゆう雅】