脳出血発症から1年3カ月『さんぽ』『となりのトトロ』の歌手・井上あずみ 家族の絆でステージに復帰の裏側に密着
『となりのトトロ』のオープニングテーマ『さんぽ』や、映画『天空の城ラピュタ』の主題歌『君をのせて』などで知られる、歌手の井上あずみさん(59)。 2023年8月、コンサートのリハーサル中に体調不良で救急搬送され、脳出血と診断されました。 左半身まひなどの後遺症が残り、移動やトイレなどは介助が必要な状態に…。現在でも車いすが欠かせません。 【写真22枚】『さんぽ』『となりのトトロ』の歌手・井上あずみ 脳出血発症から1年3カ月でステージに復帰した裏側を見る それから始まった、リハビリの日々。 夫でマネージャーの公祐(こうすけ)さんと、娘で歌手の侑夕(ゆうゆ)さんに支えながら、必死の毎日が続きました。 そして発症から約1年3カ月-。 あずみさんは、今年2024年11月16日に行われた『アニソン文化祭2024』のステージで、復帰を果たしました。 『ノンストップ!』はその復帰ステージの裏側に独占密着。コンサートにかける、家族の思いに迫りました。
井上あずみ 脳出血から約1年3カ月でのステージ復帰 当日
11月16日のコンサート当日。あずみさんは開演の約5時間前に、会場入りしました。 井上あずみ: おはようございます。よろしくお願いいたします。今日も頑張りまーす!変にテンション高いです(笑)。 Q:コンディションはどうですか? 井上あずみ: バッチリです。合わせてきました。 この日は総合司会という役割での出演ですが、自ら歌う場面も予定されています。久しぶりとなるコンサートメイクには・・・ Q:ネイルとかは久しぶりですか? 井上あずみ: すごく久しぶりです。久々にきれいになってうれしいです。ヘアメイクもお化粧もきれいにしてもらえて、なんか日常が戻ってきたなって感じです。 Q:どうですか?準備整ってきて。 井上あずみ: ドキドキです。でも、なんかいい緊張感で楽しみです。自分が。
娘・侑夕「目標を立てた方がリハビリの糧になる」
脳出血発症から1年3カ月で実現したあずみさんのステージ復帰。 実は娘の侑夕さんは、あずみさんが倒れたわずか数カ月後に、このステージでの復帰を決めていたといいます。 娘・侑夕: 最初に(医師から)「一回症状が固定してから、ちょっとずつよくなることはあるけど、劇的な変化が見られるのは約1年の間です」と言われていたので、なるべく早いうちにいろんなことを母にさせてあげたいなと思っていて、今回のコンサートもその一環だと思ってもらえたらなって私は思っています。 父や周りは「もうちょっと待った方がいいんじゃない?」っていう声の方が多かったんですけど、私は「それがいい目標になるからもう決めちゃったほうがいいよ。」って言って。 また夫・公祐さんも… 夫・公祐: やっぱりこういうのってやっていかないと先に進めないのでと思っての今日です。 何しろ(あずみは)18歳でデビューしてこの方、歌を歌うことしかしてきていないので、それができなくなったら「これから先、何をよすがにして生きていけばいいんだろう」ってなると思うので、何としてもこのまま順調に復帰への道を歩めるように… しかし、リハビリ当時のあずみさんは、後遺症の影響で自分が思うスピードで発声することが難しく、何百回、何千回と歌ってきたはずの『さんぽ』でさえ、うまく歌えませんでした。 そうした中でのステージ復帰に、夫・公祐さんには不安な思いもありました。 夫・公祐: やっぱり体調的に万全というわけではないので、もちろんまだリハビリの最中ですから、そういう不安はありますけど、何しゃべりだすかわからないですし、集中力も少し弱いのでちゃんと2時間しっかり集中できるのかなって。 そんな中、ステージ復帰に向けた10月のレッスンでは、娘・侑夕さんによるスパルタレッスンが行われていました。 (10月取材時) 井上あずみ: 喉痛い・・・ 娘・侑夕: そんなので喉痛いって言ってたらステージできないよ 井上あずみ: 痛い痛い痛い・・・ 大変なリハビリの日々…それでも娘・侑夕さんは、母が少しずつ前へと進んでいることを感じていました。 娘・侑夕: 何も決まってなかったときは覇気が全くなかったんですけど、(ステージが決まってからは)「みんなが待ってるよ」「ちゃんとやらないとだめだよ」って言ったら、笑顔も増えたりとか、ちゃんと練習するようになりました。 最近は、「あっ私今ここの音外れたね」とか言いながら、自分の直さないといけない面も自分でわかってきているので、すごい急成長だなと思って。ステージに立つ楽しさを忘れないでいてくれたらいいなってすごく思っています。 時には厳しい日々も乗り越え、家族一丸となって歩みを進めた、この1年3カ月。 そして迎えた、復帰ステージ当日、開演前。