【リニア】事業巡る意見交換で大井川流域首長からは要望相次ぐ…鈴木知事は“寄り添う姿勢”も(静岡)
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
23日、リニア新幹線について静岡・大井川流域市町の市長、町長と初めての意見交換を行った鈴木知事。流域市町のトップからは、「密に情報共有をしてほしい」「水資源補償の担保をとってほしい」といった意見が相次ぎました。 (鈴木知事) 「これまで10年ぐらいこの問題と関わっている首長もいるので、積年の思いもあるし受け止めることは大事な機会」 23日、夕方、県庁で行われた鈴木知事と大井川流域市町の意見交換会。島田市の染谷市長や焼津市の中野市長など流域10市町のトップらが一堂に会し、鈴木知事としては流域との初めての意見交換の場となりました。 (鈴木知事・定例会見) 「このリニアの事業推進にあたりましては、大井川流域市町の皆様のご理解が大変重要です」 意見交換会の前に行われた会見で、こう話した鈴木知事。これまでもリニア問題の一つのポイントとなってきたのが、”知事と流域市町の関係性”です。意見交換会は川勝前知事時代にも複数回行われてきましたが、知事と流域の市長、町長との間で”田代ダム案”に関する認識の違いや、”ボーリング調査”に対するスタンスの違いなどが浮き彫りになっていきました。 (島田市 染谷市長) 「田代ダム案はほぼ全員が了承した。待ったをかけたのは県だけだった」「(ボーリング調査について)少なくとも流域の首長は同じ意見だとお伝えしたい」「きっとなにか食い違いがあるなと思っている」 その溝は徐々に深まり、議論が停滞していた中で迎えた川勝前知事の電撃辞任。新たな知事の”流域との関係構築”が注目されるなか、23日の意見交換会では、各市町のトップから意見や考えが示されました。 (島田市 染谷市長) 「あまりにスピード感があって流域はついていけない」「丁寧な説明をお願いした」 (焼津市 中野市長) 「3者合意も含めてスピード感はあるが、我々に情報が少ないんじゃないかと。流域市町の協議会があるので相互に報告や相談をしていただきたい」 (袋井市 大場市長) 「できるだけ経済的な効果も含めて、県民や地域にプラスになるようにと。デメリットを減らしてプラスにしていただきたい」 多くの市町が鈴木知事に求めたのは「情報共有」について。”リニア推進”のスピード感を評価する一方で、山梨・国との3者合意などを例に出し、「丁寧な説明や密な情報共有をしてほしい」という声があがりました。 (鈴木知事) 「反省をして、もっときめ細かく情報を提供するようにしたい」 また、「工事によって水資源に影響があったときの補償」についても意見があがりました。 (藤枝市 北村市長) 「万が一のときにどうなるのかといったときに、しっかりとした文書で書き留めて国が入って文書にまとめる。40年50年経っても担保できるように」 これを受けて、鈴木知事は「水資源の補償は重要」と理解を示し、「補償のあり方についてJR東海や国と文書を交わす」方針を示しました。 (鈴木知事) 「国の関与は、私は大変重要だと思っている」「しっかりとした文書でいろいろなことを決めて担保しておくことが、将来世代に対する責任だと思う」 知事就任後、リニア問題をめぐり活発な動きを見せるなかで、鈴木知事は、流域市町の意見にも寄り添う姿勢をみせました。